首輪が嫌いな犬

ジャスへ

あなたの首輪を磨きながら、思い出します。

ふだんから首輪もリードもせず、自由に家の中や庭を自由に行き来する姿。

すっと細い腰のくびれを出口で交わしながら日光浴に出かける姿。

それが、いつものジャスの姿。

だから私の家族はあなたに首輪やリードをすることを不自然に感じたし、

ジャスも首輪をされるのが嫌いだったね。

首輪をした途端、パワー半減。しっぽも低空飛行。


そんなに嫌なのね…と感じた私はつい散歩のときに人のいない場所を選んで

リードをはずして一緒に公園の端から端まで走った。

あまりに、人がいないところを探したもんだから

最終的に私たちの散歩場所は山になったね。

2人にしかわからないリズムとアイコンタクトで登山するのが心地よくて

私たち2人だから感じる楽しさなんだ!って誰かに自慢したい気分だった。


自由な時間が長すぎてか、お出かけのときに首輪とリードを忘れるのは

しょっちゅうだった。

山の広さや優しさに比べると、狭くて怖い世間では

首輪とリードが必要だった。

致命的なのは病院で忘れたときだったね。

ジャスは病院で借りた首輪とリードをふんふんして

「これ違う」って納得しなかったね。

お母さんが「忘れたの、ごめんね。いつものは家にあるの」って

説明してやっと許してくれた。


このとき私たち家族はジャスなりの数式を理解した。

1)首輪もリードもなし > 自分の首輪とリード > 他人の首輪とリード

2)おうち&庭 > 山 > 公園 > 病院

3)自由 > 家族 > 社会

そして私もジャスと同じ数式で生きてくことにした。



















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