レインメーカーことオカダ・カズチカについてですわ

 皆さまごきげんよう。今回はレインメーカーことオカダ・カズチカについてですわ。先日、フォロワーさんと裏でプロレス談義に興じていましたら、オカダのお話になりましたの。そしてわたくしの本音を赤裸々に語りましたところ、noteに書くべきだと言われましたので、ニーズがあるのならばと、書くことにしましてよ。

 さてわたくしオカダには厳しいのですが、それは本人のせいではないことが多いと思いますの。だからこそ忸怩(じくじ)たる思いが抑えられずつい厳しくなってしまうのですわ。

 まずは海外に出されすぎたことについて。あれほんとよくなかったと思いますの。オカダは元々闘龍門出身で、2004年にデビューし、2007年8月に新日本に入りますわ。しかしちゃんと再デビュー出来たのは2008年の4月。普通にヤングライオンとして出直しましたので、あれは大したものだと思いましたし、インディーの若手キャリアを捨ててヤングライオンからの出直しなので、わたくしはオカダのことは新日本の生え抜きだと思っていましてよ。しかも、あの頃は道場に断熱材がまだ入っていない頃。お陰で夏は外より暑く、冬は外より寒いというわけの分からない地獄の環境にありましたわ。でも、だからこそ新日本のレスラーは他の団体のレスラーと違うのだとわたくしは誇りに思っていましたし、新日本のレスラーたちも生き残ってデビューした自覚と、やはり誇りがあると思いますのよ。ですから繰り返しにはなりますが、あの環境でやり直して生き残ったオカダは立派に新日本のレスラーだと思いますわ。しかし時はゲーム会社ユークスの子会社としての新日本プロレスが確立される時期で、アメプロしぐさが強くなって棚橋の人気がやっと出始めた頃。ヤングライオン岡田かずちかも、期待の新星として試合が地上波放送にちょくちょく乗る優遇ぶりでしたが試合内容は正直不甲斐なく、NOAHの谷口の若手時代にも似た「プロレスラーに向いていない……?」という違和感がありましたわ。ですが、これは岡田かずちかに限らず、この頃の新日本の若手全般に言えることでしたの。

 これについては、あるレスラーを相手に前座試合をこなせない環境が、この時代のヤングライオンの仕上がりを微妙にしてしまったとわたくしは思っているのですわ。そのレスラーとはブラック・キャット!外国人選手でありながら新日本に骨を埋めた渋くて上手い中堅レスラーですわ。強さもあり、ストロングスタイルも出来ながらプロレスも上手くて、とても贅沢な若手の壁でしたわ。暗黒期の真っ只中にレフェリーに転向させられ、程なくして亡くなってしまいましたが、彼に試合を通して名レスラーへと育てられたレスラーは数知れず。彼をシングルで破ればヤングライオン卒業といった空気がありましたわ。ブラック・キャットが生きていてレスラーを続けていられれば、オカダ、デスペは色んなものを吸収して、早くから花開いたと思いますのよ。YOSHI-HASHIや平澤光秀だってきっと今よりはだいぶいい選手になれたと思いますわ。平澤はもういませんけども、それ程までにブラック・キャットは若手育成に必要な人材だったと思いますのよ。あとは、エル・サムライ、飯塚高史もそうですわね。彼ら渋いベテランを冷遇したり、変なテコ入れをしたりでアメプロ的な世界に作り替えてしまった会社が悪いと断言しますわ。たらればのお話をしてもしょうがないかも知れませんけども、たらればのお話になるしかないくらい、この時代のヤングライオンは光るものが見えませんでしたわ。当時の新日本プロレスの失策であり、今そのしわ寄せが来ているのだと思いましてよ。

 ブラック・キャットに育ててもらえなかった不運と共にオカダが可哀想だったのは、お話を戻しますが、TNAに修行に出されてしまったこと。このせいでオカダの可能性がかなり狭まってしまったと思いますわ。190cmを超える体格に新日道場で培う体力とレスリング、そしてブラック・キャットらベテランに育てられてプロレスを修得していればと未だに悔やまれますわ。いいプロレスエッセンスを体に染み込ませるべき若手時代にいい経験をほとんど積まないまま海外に出され、これといった成果もないまま凱旋試合に臨まされて失敗し、再度TNAへ行かされ、またも凱旋試合に失敗しましたがレインメーカーとしてゴリ押しして、支持率ないまま棚橋とのIWGPヘビー級選手権試合へ。そしていわゆる“レインメーカーショック”と呼ばれる金星をあげ、IWGPを獲りましたわ。この試合、最後の決まり手で歓声大爆発するのですが、それは今では恒例の、切り返し合いからの必殺技というパターンが目新しかったからというのが1つありましたわ。これがハマったおかげで、「切り返し合いを緻密に作り上げて、選手権試合の軸にしよう」という方針が始まったのでしょうね。

 というわけで、試合の方針は決まれど、じゃあ相手になるのは誰か?となると、切り返し合いの試合をするような日本人レスラーは見当たらず、しかもレインメーカー初期のオカダは試合が妙なリズムで、合う人が新日本内に棚橋以外はいませんでしたわ。それはTNA時代にレスラーとして色々固まってしまったからですわ。オカダの試合が何だか外国人レスラーみたいなのは、TNAで固まってしまったからだと思いますのよ。

 そんなオカダですが、会社としてはレインメーカーショック後をどうすればいいか頭を捻ることになりますわね。その結果が外国人天国&繰り返される棚橋戦ですわ。カードが限定されたお陰で、ここ数年のオカダは特定カードを中心に目に見えてよくなって来たと思いますのよ。しかしこれが新たな課題を生みますの。それは、「外国人選手を引き抜かれてしまう」ということ。オカダの為に用意した外国人が軒並み新日本を踏み台にしていなくなってしまうようになりましたの。ここで残念なのが、日本人のライバル作りをしなかったこと。惜しむらくは、全日本プロレスとの戦端をひらかなかったことで、色んな機会が流れてしまったことですわ。10年ほど前に諏訪魔との初遭遇で印象持って行かれた試合がありましたけども、あの時に諏訪魔に向かって行って全日と絡むようになっていればと思うことがよくありますのよ。何故ならばオカダは棚橋と繰り返し戦って、棚橋とは合うようになっていたからですわ。棚橋は、諏訪魔や大森隆男と呼吸が合いまして、名勝負を残していますわ。棚橋と合うということは、彼らとも合うということでして、繰り返しますが、たらればのお話をしても仕方ないとはいえ、わたくしは諦めきれないのですわ。

 何が諦めきれないかといいますと、オカダ・カズチカが殻を破って進化することですわ。何といいますか、新日本のヤングライオンには生まれ変われましたのに、その後をTNAで固めてしまったせいで、純正の新日本のレスラーの香りがしませんの。ここが違っていれば、オカダはもっと新日本らしいエースになれたのではないかと思いますわ。だから諏訪魔に持って行かれてしまった時に、諏訪魔を追いかけることが出来ていればと思いますの。橋本が天龍を追いかけて連戦し、最後には1勝をもぎ取ったように、オカダもぶつかっていければよかったのにと思いますのよ。だからこそ、ジェイク・リーの新日本登場を期待していましたし、オカダのライバルとなって成長させてくれるはずと確信していましたのに、ジェイク・リーがまさかNOAHに行くなんて……。ジェイク・リーは全日ではいまいちだったと思いますけども、新日ならば、特にオカダとの絡みは手が合ったのではないかと。

 ちなみに先日のドームの試合、前の試合のケニー・オメガvsウィル・オスプレイが真剣味のあるいい試合になったせいで、オカダ・カズチカvsジェイ・ホワイトは損をしましたわ。これはオカダがよくなかったのではなくて、ジェイ・ホワイトがよくなかったのですけども。

 どうジェイ・ホワイトがよくなかったかというと、不良外国人しぐさでヘラヘラしながらの試合に興じたからですわ。前の試合がまるでアントンを追悼するかのような、命をかけたような壮絶な試合をせっかくしましたのに、それを台無しにしてしまうアメプロしぐさは果たしてどうなのかと思いましてよ。あと、これは仕方ないことなのですけども、オカダが珍しく延髄斬りを出したのはいいのですが、当たりがそんなに強くなく、名場面にするには物足りないものになってしまっていて、わたくしは無念で無念で。微妙な延髄斬りになってしまうぐらいならば、天龍式のナタを振るうような延髄蹴りからのパワーボムをやってほしかったですわ。天龍の引退試合の相手をオカダが務めましたわよね?それを今ここで活用するのか!というインパクトと共に、延髄は延髄だけどそっちかい!ひねったなぁ~!という感心中にレインメーカーで幕という試合があれば、印象いいかんじで持って行けたでしょうし、オカダからの謎かけにアントンしぐさをかんじて、きっともっと満足出来ましたし、オカダも1つ殻を破れたのではないかと思いますのよ。

 あと、ボイストレーニングしてお腹から声出すようになってほしいですわ。喉で叫ぶと甲高い「おらぁ~!!!」になって北尾みたいになっていますもの。

 押忍ですわ~!!!

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