【新日本プロレス】1993年2月10日の木戸修 vs ブラック・キャットを観ましたわーッ!!!【再掲】

 皆さまごきげんよう。いつも読んで下さっている方は押忍ですわ。初めましての方は初めまして押忍ですわ。というわけで押忍ですわ。

 さて今回はわたくしが書きたいことを書くだけの回!!!そうなりましたらば、こういった激烈に渋いカードの検証になってしまうのは当たり前なのですわ。

 と申しますのも、わたくし、元々プロレスは新日&全日から入ったのですけれども、新日は解説の柴田惣一さんの喋り、全日は和田京平レフェリーのリズミカルなレフェリングで興味を持って、試合は二次的な視聴という変わった感性から始まっているのですわ。

 お陰で、落ち着いて解説やレフェリングに意識を向けられる中堅の試合が好きになって行くという、他に誰も歩まない“俺だけの王道行かさせてもらうぞ”状態で育ちまして、今のわたくしのマニアックすぎるnoteに繋がるわけですけれども、とはいえ、令和においてはレスラー皆それなりに派手な試合をしますので、昔のプロレスのような、渋いにも程がある職人的な中堅選手はあまりいないのが実状なのですわ。

 そのせいで、わたくし、たまに激烈に昔の試合が観たくなりますのよね。そんな背景があっての今回のnoteなのですわ。

 試合と致しましては、開始から両者がリング内を反時計回りに回るのですけれども、それが何ともスピーディー。そしてロックアップで組んで、木戸がロープに詰めようと押しますのよね。ここでキャットはあまり対抗せず、小さく数歩後ろに歩きながら、ロープに背中を預けるように下がり、すんなりロープブレイクに甘んじますの。プロレスはロープブレイクで離れなければならないので、変に対抗して余計な体力を使うのではなく、身を任せて呼吸を乱さずに仕切り直すという戦法を取れるのですわ。これにより相手に“攻め疲れ”というファクターが生まれ、受けで試合を作るというスタイルが成立するのですけれども、今のプロレスは何でも対抗して、戦略性が薄い試合になりがちだと個人的には思いましてよ。木戸はここですんなりクリーンブレイク。今のプロレスは、ロープに詰めたら張り手などの打撃を打とうとする、打たれまいと警戒するのが主流ですけれども、ここで木戸はすんなり離れますわ。無駄な体力や集中をしないのですわ。これこそが一本勝負の戦い方ですわよね。

 2度目のロックアップは両者少し力が入っていますわ。ここでキャットが少し体を斜めにずらそうとし、組んでいる右手を抜いて、木戸の背中を叩いて意識をそちらに向け、逆に回って上手く体を入れ替えて、木戸をロープに詰めましたわ。この流れで木戸は「アッ、やられたな」となり、打撃による追撃を受けたくない気持ちとなりまして、ガードを上げると。ここで初めて打撃を打つか離れるかという選択肢となり、若干の主導権を握ったキャットは少しの間の後離れまして、心理的に優位に立ったのですわ。お陰で3度目のロックアップでは木戸のエンジンがかかっていて、剛直な組みに行きますわ。ですからキャットは虚を突いてバックに回りに行きますが、この体勢で木戸はバックをしっかり取らせまい、胴をクラッチさせまいと、キャットの腕を取りながら体をずらして、脇固めもしくはアームロックに行ける動きを仕掛けましたわ。

 とまぁ、試合はここから木戸の左腕攻めと、脱しながら足を取りに向かったキャットという図式となり、ならばと木戸が削り合いの手四つに行ってキャットがそれに呼応しますが、木戸は後転してキャットの腕をひねる体勢へと移行してしてやったり。キャットは膝で手四つを切り、逆に木戸の手をひねり、ロープに飛ばしてラリアット。場外に出た木戸を追いかけると、木戸が入れ違いに素早くリングインしてキャットのリング帰還を待ち受ける格好に。イラつくキャットがリングに入ると、木戸が軽いヘッドロックへ行き、ロープスローを誘発してショルダータックル。倒れたキャットに向かって走り、距離感合わずと見るや、ダンゴ状態で体を入れ替えてアームホイップ。場外へ逃げるブラック・キャットを追いかけて鉄柵スローしてガシャン、すぐにリングに戻りましたわ。キャットはリングに戻ると、厚みある体をいかして打撃で活路をひらき、スリーパーを挟んで串刺しラリアット。さらにフライングメイヤーから座っている木戸の腕をスタンディング状態でアームロックに極め、解くと同時に胸板にパンチを打ち、ブレーンバスターの体勢へ移行。しかし木戸は投げさせず、ブレーンバスタークラッチの状態のままでコーナーへ下がりますわ。キャットはボディブロー、顔面フックで攻めまして、ダウンした木戸の脇腹にストンピングで、たまらず木戸が場外に出ると、先程のお返しとばかりにキャットが鉄柵スロー。さらに鉄柱攻撃。リングに戻ると遅れて戻る木戸の背中にハンマーパンチ。ロープに振りカウンターの水平チョップ。頭突きを連発し、2発目のフライングメイヤーで木戸を座らせ、スタンディングで背中を向けて両腕を極めるメキシカンストレッチへ。そこから右足を木戸の左足にひっかけて捻りを加えますわ。木戸は座った状態のまま、ストレッチを腕力でジリジリ外しまして、キャットはソバット気味に足裏で木戸のボディを小さく蹴りましたわ。立ち上がる木戸はロープに飛んでのエルボーバットでキャットをダウンさせ、起き上がりに木戸蹴り、エルボースマッシュ連打、ロープに振ってバックエルボー。さらにキャットを起こし、スイングしてのネックブリーカーでカウント2を奪い、追撃を狙ってキャットをロープに振ってのショルダースルーしぐさで頭を下げると、キャットがおあつらえ向きとばかりにDDTでカウント2。両者起き上がる際に隙を見つけた木戸がバックドロップでカウント2。ストンピングを連打し、コーナーに振るもキャットが串刺しを拒否するように嫌そうに走って振り返り、コーナーに背中が当たると跳ね返るように走り込んでラリアット。それを木戸がガードして即腕をキャッチし脇固めでフィニッシュですわ。

 この試合にあったのは、組むこと周辺での心理戦、主導権を握られたら角度を変えて主導権を握り返す流れ、隙を突いて技を決めるしたたかな山場の3つですわ。こういうのがサイコロジーあるプロレスだと思いますのよね。分かりやすく張り合うのではなく、文字に起こしてみたら静かに張り合うのが分かる試合。こういうせめぎ合いのプロレスがわたくしは好きでありまして、これをやれる中堅が大好きなのですわ。そしてこういった試合を成立させるのは切り返しに使える基本技術。だから基本というものが大切ですし、技でやるだけがプロレスではないのですわ。面白いでしょう???

 押忍ですわーッ!!!

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