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読書note17「日本文化の核心」松岡正剛

久々に松岡正剛を読みました。日本やその在り方、あるいは日本人の形についてずっと論じてきた氏が、様々な視座から日本を読み解く一冊といった感じです。面白いと思ったところを紹介します。

まず、日本やその文化を読み解く時に、”米”は重要なキーワードになるらしい。とくに”苗代”という方法(イノベーション)。

日本の風土を考えて、直播きの種籾をそのまま育てずに、いったん苗代で苗にして、それから田植えで「植えなおす」という工夫です。この、はなはだ日本的でイノベーティブな方法は、日本がグローバルスタンダードの技術やルールをそのまま鵜呑みにして直接使おうとするのではなく、いったん「日本化のための下地」をつくって工夫しなおすほうがいいという、けっこう重大なヒントを告げているのではないかと思います。

多神多仏の宗教についても、異教をゆるやかに混合する「リミックス」をしている、そして、この”リミックス”は日本文化をあらわす重要なメソッド・コンセプトだという。

リミックスは「エディティング」です。さまざまなものを編集する。神仏習合もかなり大胆な日本特有の編集力によっておこったのです。(中略)このエディティング・リミックスのことを、日本では「和光同塵」というすばらしい四字熟語にであらわしてきました。和光同塵とは、「ここ」の考えや現象と「むこう」の考えや現象をさまざまにまじった「塵」として同じくしていくことを言います。

西洋的なものの捉え方に対し、日本的な捉え方として、清沢満之という僧侶が唱えた「二項同体」というものを紹介しています。

西洋の「二項対立」によるロジックの組み立てに疑問をもって、日本人はむしろ「二項同体」という考え方をもつべきだということです。(中略)デカルト的な二分法(ダイコトミー)に反旗をひるがえしたのです。

なんと、ここでも”レンマ学”的な発想が出てきました。ますます、これからの時代を読み解くカギはここら辺にありそうです!

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