画竜点睛を欠くわけにはいかぬのだ
「目の中をママに描いてほしい」
と11歳女性が頼んできたので凄く驚いた話
そこまで驚いたのにはワケがあって、
この11歳、もう小さい頃から自分の絵や工作に私が手を入れたりアドバイスしたりすらも、もう、そんなに?ってくらいに相当嫌がってきたのである
「ココもっとこうしたら?」みたいな事を言うたが最後、下手したらもう臍を曲げてそこで描くのを止めるまであるので、
もはや今は頼まれない限り、私から何か絵や作品に関しては口出しする事はない
そんな彼女が、自分のお小遣いで人形の素体と、服と、紙ネンドを買い、
ひとりで時間をかけて好きなキャラの人形を作った
贔屓目抜きで…と言ってもおそらく贔屓目混じりなんだろうが、目鼻の左右のバランスも良いし、髪の毛も立体造形としてよく出来てる、と思った
素直に「凄くよく出来てるな」と感じた
あとは瞳の中を塗るだけである
それを塗って欲しい、ときたわけである
そそそそそんな大事な所を私に任せていいのか!?と思った。で先述の通り凄く驚いたワケである。どーした急に!?
真っ先に画竜点睛を欠…と言う言葉が浮かぶいやいや欠いてはアカーン!絶対アカン!!
やだやだこんな怖い仕事ねーわ!
誰よりも1番緊張するクライアント様やで!
…それはさておき
私としては「私が教えてあげるから、ここまでしたなら最後まで自分で仕上げた方が達成感もあるだろうし良いのでは」と単純に思った。
思ったし、言った
それに対しての11歳の言い分はこうだ
「教えてもらいながら描くのがとにかく嫌だ
一々教えてもらいながらだったらどのみち達成感などそんなに無い
しかも言うほど上手く仕上がるわけでもなし
それなら最初から描いてもらったほうがクオリティだけでも叶う」
一理ある。と思った
11歳は「こういう所がいやだ」「こういう所は良い」みたいな気持ちを言語化して伝えてくるのが最近ことさらに上手い
それが上手いから私は彼女の地雷をなんとかど真ん中は踏まずにいられている(はじっこはたまに軽く踏む)(踏むんかい)
この嫌な事の言語化と、伝える、というのは私には出来なかった事なので毎回本当に「へぇ」と感心する
別に私も立体にアクリル絵の具なんて何年振りかという感じなので、そこまで上手いわけではないのだが
最初で最後かもしれないこの娘とのコラボを本日の #一日一絵 とさせていただきたく思います。2024/3/28
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