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日本むかし話みたいな、おむすびが食べたい

私の息子は、ごはんが苦手。
お米が嫌いなのです。

だからさ、食事を作っても
パンだ!パスタだ!うどんが良かったのに〜!って言われるの。

ごはんのおいしさを知って欲しくて色々やってみたさ。
チャーハンにパエリア、混ぜご飯に炊き込みご飯、ピラフ、それからオムライス...。

クックパッドやインスタグラムを漁っては
「子どもに大人気」
「5歳児が食べ出したら止まらない」
そんなキャッチコピーに誘われて
淡い期待を込めて作ってきたけど、本当に笑っちゃうくらい玉砕してきたのです。

そんなこんなで、かれこれ数年が経ち
「遠足のお弁当はサンドイッチにしてよね。」
そんなセリフを聞くとさ
誠に母の勝手ながら
残念な気持ちになってしまうのよ。

どうしても我が息子にごはんの、
白飯のおいしさを知ってほしい!!
ええ。全くもって母の独りよがりな想いです。

そんなの成長したら勝手に食べ始めるんだから
気長に待ちゃいいのだけれど...
「待つ」って難しいのよ。
特に自分の子どもに対しては。
ついつい、すぐに結果を求めちゃうのよね。

それで母は色々考えた。
これまで息子がごはんを食べてくれないからって
シャケ・ツナ・そぼろ・ケチャップ・すし酢...
色ーんなものをごはんに足してきたんだ。

そもそもそれが正しかったのか
原点回帰で考える。

そもそものそもそも...
私自身、おいしいごはんを食べたことがあるのか….?
その自問にハッとした。

私自身、おいしい「ごはん」を食べたことがないんだ。


私はさ、自分の家庭で
おいしいごはんを食べたことがないんだ。
おいしいごはんに「憧れ」があっただけで
食べたことがなかったんだ。

私の母は、私が小さい頃は某化粧品メーカーの美容部員をやっていたので
私は祖母の手料理を食べて育った。
母の手料理を食べた記憶がなかった。

いや、唯一...食べたな。
母の手料理。
母の作ったおむすび。
小学生の時に一度だけ。

だけど、これが強烈に不味かったんだ。
デバートの化粧品売り場のような
強い化粧品や香水の匂いが付いた
まず〜いおむすび。

それから割と大人になるまで
私はおむすびが食べられなかったんだった。

そうか、そのせいだったのか。
私が息子においしいごはんを食べほしいと強く願うのは。
執着するのは。

そう。私は、何を隠そう自分自身が
日本昔ばなしに出てくるような
お米そのものの味わいが楽しめる
素朴なごはんやおむすびに強く憧れていたのです。

でもさ、私自身、お話しの中に出てくるようなおいしいおむすび食べたことがないんだよ。

なのにどうやって息子に作ってあげるのか。

夫は日本一おいしいであろう「おむすび」を食べていた

わからないから、まずは夫に聞いてみたの。
「美味しいおむすび食べたことある?」って。
そうしたらさ、20年くらい前に
あの伝説のおむすび、佐藤初女さんのおむすびを偶然食べたことがあるって言うじゃないですか!

そうか。佐藤初女さんのおむすびか...。
私も食べてみたかったな。
初女さんは2016年に亡くなられているので
実際に初女さんのおむすびを頂くことは、もうできないのですが。
私も初女さんのように、食べた人が元気になるような
そんなおむすびが作りたい!

そう思い立ち、おいしいおむすび作りのため
日々の試行錯誤が始まったのです。

本や動画で習いながら「おむすび」を毎日むすんでみたよ

おむすびの本を読んだり、大塚のおむすびの名店「ぼんご」の女将さんの動画を研究したり。

試行錯誤しながら、おむすびを毎日何個も作っては自分で食べてました。

そこから、含まれる空気感やお米の硬さなんかも
色々研究するようになり...

気づけばさ、息子が食べてくれているじゃないか!
なんの具も混ぜていない塩むすびをさ。
「お母さん、もう1つちょうだい!」と
おかわりまでしてくれるじゃないか!

私自身の憧れに強制的に付き合わせてしまう形ではあったのですが。

家族がおむすびを食べて「美味しい」と笑ってくれる。
こんなに嬉しいことはない。

これからも、おいしいおむすびを作りますからね。

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