感情
スタジアムは地球上で最も密度濃く激しい感情が生まれる空間。僕たちフットボーラーが愛している空間だ。
博多の森でアメフトの試合が行われた。
観客の殆どはアメフト観戦が初めて。
そんなことも想定してチームはエンタメに一生懸命準備を重ねた。
創部まもないチームが身の丈以上の大興行に挑戦した、現場はもう心身共にボロボロだったと思う。
チームスタッフや携わってくれた全ての皆様に感謝したい。
スタジアムにくる人たちが何を考えているのか家を出るところから想像していた。
楽しみにしていた人、友達に誘われてきてみた人、家族が出場する人。
書ききれないけど、とてもポジティブな空間だったと思う。
「感動」するためにこのシーズンを一緒に戦う
と6月の就任会見で話した。
僕は当日までこの複雑な自分という人間が、何に感動するのかわからないでいた。
何色の感情がやってくるのかわからなかった。
間違いなく何かに感動して一夜が経ち、何に感動したのか言葉にしたいが、ブレンドされていて上手く言葉にできなかったがやっとわかった。
「生きる喜び」
これに感動した。
小さな子供、お年寄り、全世代がきてくれた。
空が晴れ、雨が降り。
点が入り、点を取られ。
ファンが喜び、ファンが怒り。
コロナでスポーツは死にかけた。
チームは瀕死で戦ってきた。
でも死ななかった。
ぼくたちは昨日、立派に立ってた。
試合後、エースの西山選手がプロポーズをするために片ひざを地面につけた。
アメフト選手が片膝を地面につけるのは勝利を決める時だ。
スタジアム全員で彼等を祝福した。
「サンズは良いチームだ」とよく言われる。
僕もそう思うけど、中からみてると少し違う。
だってサンズには悪い所も沢山ある。
次から次へと問題は山積みだ。
「サンズは必死に生きている」
こっちのほうが僕はしっくりくる。
僕たちはどうしようもない生命体だ。
来年も死にかけながら笑って酒を飲めたら幸せだ。
いつの日か、昨日をもっと誇りにできる日がくると思う。
みんなありがとう。
昨日は酒が美味かった。
2017-19 福岡サンズWR13
株式会社イコールワンホールディングス
代表取締役きんのすけ社長
安田 錦之助
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