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8月8日 理塘→稲城

 翌日、バスで郷城まで移動しようと思ったら、郷城からは次の目的地・香格里拉(シャングリラ)に向かうバスは出ていないので、稲城に行った方がいいと言う。稲城とは昨日の彼女が向かった町だ。よし、そうしよう。稲城に着いたら、彼女に電話してみよう。
 昼過ぎに稲城に着いた。昼食後、公衆電話を見つけ、彼女が泊まると言っていた宿に電話をした。もしかしたら、もう、次の町に移動してるかも、と思ったが、運良く彼女はその宿にいた。そして無事、彼女と再会。この町にも温泉があり、さらに日本人大学生(男)も加わり、4人で温泉に行った。ここの温泉は43か44℃くらいでとても熱く、長く浸かっていられない。でも、とても景色のいい場所にあるので、露天風呂にすればいいのにと、ぶちぶち思った。また、ここら辺りは松茸がたくさん採れる。近い将来、有志を集め、ここに土地を買って、露天風呂をつくり、「中国シャングリラ・標高4,000mの絶景露天風呂、松茸三昧食べ放題ツアー」を企画したいなと思う。
 この日の夕食は軽く済ませ、スーパーで高級ワインとつまみを買って部屋に戻り、4人で飲んだ。高級ワインといっても、1本2千円もしない。「明日はどうするの?」と彼女に聞いてみた。「亜丁に行こうと思ってたんですけど、なんか客引きが多くて、行く気がしなくなってきたんです。だからもう次の目的地・香格里拉(シャングリラ)に行こうかと迷っているんです。」「亜丁に行ったら何日くらい滞在するの?」「たぶん、1泊だけです。」「それはもったいない。亜丁はすごいきれいなところで、ハイキングコースがたくさんあるので、せっかく行くなら、3日くらい歩かないと。また今度ぼくらが亜丁に行くから、そのとき一緒にぼくらと歩こう。で、また温泉入って、それから自転車で山越えて、香格里拉まで走ろう」なんて誘いながら、結局次の日は4人で香格里拉にバスで移動することにした。この夜、ぼくはついつい飲み過ぎてしまった。ここは4,000m。空気が薄い。飲み過ぎると、呼吸がしんどい。普通に息をしたのでは、酸素が足らないので、苦しい。意識して肺をふくらませるように呼吸をしなければならない。このまま、眠ってしまったら、酸欠で死んでしまうのではないかと、心配になった。でも、酔いが覚めてきて、呼吸が楽になってきて、眠りについた。

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