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7/31 香格里拉→九龙


県道と省道を麗江まで走った

 朝、荷物を自転車にくくりつけ、女子大生と最後の会話。「香格里拉に戻ってきますか?」「いや、戻ってきません。麗江まで走ったら、そこから昆明まで飛んで、昆明から北京経由で日本に帰ります」「残念です」やっぱり、前輪もゆがんでいることだし、麗江まで走らない方がいいかな?ここ香格里拉を起点に日帰りサイクリングにしようかな?・・・いやぁ、それはいけんじゃろう・・・彼女と連絡先を交換して、宿をあとにした。
 今日の走行距離はゆとりをもって50㎞。でも、3900mの峠がある。ここから+700m。低地なら1日1000mを上がるくらいなら問題ないけど、ここは3000mを超えている。ちょっと心配。近くのお店で朝食して、郵便局で切手を買って、ここ香格里拉で書いた絵ハガキを投函し、10:00に出発。街中を離れるまでは、黒煙と砂埃にまみれながら走る。全然楽しくない。でも、5㎞も走ると、車はめっきり減り、景色も良くなる。気持ちいい。でも、すぐに上り坂になった。5%くらいで+100mほどの全然大したことのない上りなのに、とてもしんどい。この調子じゃあ、50㎞走るのに、7時間くらいかかるかも。予定は5時間なんだけど。
 10㎞ほど走ると、温泉があった。この温泉が30㎞くらい走ったところにあったなら、ためらうことなく寄ったんだけど、まだ10㎞。先を急ぎたい。3900mの未知の峠も待っている。こんなところで無駄に時間をつぶせない。でも、温泉にも入ってみたい。どうしよう・・・寄って行こう。35元(580円)とちょっと高かったが、寄って良かった。水着を付けて入る温水プールのようなものだったが、もちろん源泉かけ流し。そして何より、天然サウナが良かった。洞窟の中に50~60℃のお湯が流れる小川があり、その上にすのこを置いてるだけだけど、すのこの上に横になると、背中の下を源泉が流れていく。10分ほどで汗がたらたら。ついついそこで1時間も過ごしてしまった。

天然サウナ

 すっきりした身体で再び出発。20㎞ほど平坦な道が続いたが、さあ、いよいよ峠への上り坂が始まった。大して急でもないのに、やはり脚がだるい。でも、頭痛はない。大丈夫だ。登れる。と思ったけど、ちょっと坂が急になると、すぐに自転車を降りて押して歩く。ぼくはぎりぎりまで乗って上がるようなことはしない。半分くらい疲れるとすぐに降りて歩く。立ち止まりはせず、ゆっくりでも押して歩く。そして坂が緩くなったらまた乗る。こうやって動き続けるのが、一番効率的に高度が稼げる。
 雨が降ってきた。雨季の雲南省で5日間。1日も雨が降らないわけがないが、やはり雨の中の峠越えは辛い。雨の中、乗ったり押したりを繰り返しながら高度を稼いでいく。2時間くらい経っただろうか。やっと峠に着いた。ここが3900m?香格里拉の標高が3200m。ぼくの感覚ではまだ500mくらいしか上ってないのだが。3900mという情報が間違っていたのか?この先にまだ峠があるのか?ちょっと心配しながら坂を下ると、5分ほどで村が見えた。あれが九龙村か。思ったより小さい。宿はあるのだろうか?予定より30分遅れて15:30到着。宿はすぐに見つかった。道路沿いに2軒。最初の1軒に寄ると、1泊15元(250円)。部屋にはパイプベッドだけ。布団は湿ってて重い。こんな布団じゃ寝られない。まあ、寝袋があるのでいいけど。自転車から荷物を外して部屋に運ぶ。シャワーなんてあるわけないけど、顔と足は洗いたい。宿のおばあちゃんに筆談で伝えようとしたが、文字が読めないらしい。なんとかジェスチャーで伝えると、洗面器にお湯を用意してくれた。顔と足を洗ってすっきりした後、絵ハガキを書き始めた。すると30代の男性が珍しそうに座り込んで、絵ハガキをじっと見始めた。そして、絵ハガキの1枚を手に取り何か言ってる。おそらく「ここはぼくの生まれた所の近くなんだ」というようなことを言っているのだろうと思い「そうか」と言ってうなずいた。するとその男性は「謝謝(ありがとう)」と言ってうれしそうにその絵ハガキを持って行った。なんだ、「これ、もらってもいいか?」と言ったのか。
 絵ハガキを書くのに飽きたけど、他に何もすることがない。見て回るものもない。のんびりと椅子に座って山を眺めて時間を過ごす。暇だけど、平和な時間だ。おしっこがしたくなった。おばあさんに「トイレはどこ?」とジェスチャーで尋ねると、指で辺りを指しながら「そこら辺のどこでもいいよ」というジェスチャー。まじかよ。大きい方も野グソかよ。

九龙村
クーロンホテル 1泊250円
晩ご飯 卵とトマトの炒め物とごはんとビール

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