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8月8日 →湯古

 朝食をたっぷり食べて、10時出発。ここの標高は3400m。峠は4100mくらいで、九龍までは100km、手前の湯古までは85km。全て舗装されているなら、九龍まで問題なく着くだろう。宿を出たらすぐに上りになった。舗装されているので、順調に進む。11時、標高3600m。12時、標高3800m。順調だ。ここで昼食を摂って、ペースを崩すのは嫌だし、朝食が遅く、たっぷり食べているので、峠に着いてから昼食にしよう。この調子でいくと、峠にはあと1時間半くらいで着くだろうから。
 13時、標高4000m。小さな集落があった。子ども達が川で遊んでいる。ぼくに気づくと珍しそうに見つめている。カメラを向けると、家の方に戻って行った。13時半、そろそろ峠かな、と思っていたら、ダートになった。まあ、もうすぐ峠だから、ここまで舗装されててラッキーだと思おう。
 

 あそこを曲がったら峠かな、とカーブの度に考えるけど、全然峠の気配がない。14時、標高4200mに達した。え~、峠は4100mじゃなかったのかよ~。心の中でぶつぶつ文句を言いながら、自転車を押し続ける。14時半、標高は4300m。疲れた。しんどすぎる。雨が降り始めた。はぁ~。15時、標高は4400m。え~~~、まだ着かないの~。ぶつぶつぶつぶつぶつぶつ・・・。15時半、やっと峠に着いた。標高は4500m。参った。ホント参った。まさか、4500mもあるとは・・・

昼食 日本のレトルトカレーは美味しい わざわざ持って来た甲斐がある

 遅い昼食を済ませ、峠を下りる。うれしいことに、30分ほどで舗装道路になった。さらにうれしいことに、傾斜が3%ほどなので、漕ぐことも、ブレーキをかけることもなく、時速30kmで下って行く。でも、快適じゃあないんよね。(>_<) 雨が降ってるし、気温が低い。あまりにも寒過ぎる。フリースの上にカッパを着てるのに、それでも寒い。グローブをしてるのに手がかじかむ。晴れてたら景色もいいだろうに。残念だ。それにしても、寒い。順調に進んでいくけど、寒過ぎる。漕ぐ必要がないので、自転車にまたがったまま固まってるようだ。背中を丸め、肩を縮込め、全然楽しくない。あ~、もったいない。こんなに理想的な下りなのに・・・。
 舗装路になって1時間ほど下ると、町に着いた。九龍の手前の湯古だ。宿があったので、そこに泊まることにした。宿の主人が暖かく迎え入れてくれる。と言っても狭い4畳ほどの土間で、ストーブの周りに4人が座ると、いっぱいになる。そこでストーブに当たって暖まりなよ、と言って席を空けてくれる。宿の主人とその友人2人、そしてぼくの4人でストーブに当たる。英語が通じないので、筆談で会話をする。夕食は何時にする?と聞くので、昼食が遅かったから、「20:00」と書く。その後、何か聞いてくるのだが、何を言っているのかわからない。書いてもらったんだけど、それでもわからない。夕食の時間を聞いた後、何を尋ねているんだろう?わからない。すると、1人がどこかに電話をして、ぼくに話せとスマホを渡してきた。電話に出ると、英語で「What do you want to eat?」と何を食べたいかと尋ねてきた。なんて優しい人たちなんだろう。夕食に何を食べたいかを聞いていたのか。わざわざ英語が話せる友人に電話をしてまで聞いてくれるなんて・・・。それで「I can't eat spicy foods.」と辛い物は食べられないと伝えてもらった。
 それから30分、この狭い部屋に、入れ替わり立ち替わり、いろんな人がやってくる。日本人が珍しいようだ。中学生の男子3人はぼくの年齢当てをしている。中学生の女子は、英語で話してみなよとけしかけられている。30過ぎの女性は家族に電話して、日本人がいるから見においでよと言っている。いやじゃないけど、疲れてしまう。
 18時半、来客も一段落し、濡れてた服も乾いたので、部屋に案内してほしいと宿の主人に伝えると、夕食を食べてからだと言う。おいおい、あと1時間半もここに座っとけ!と言うのかよ~。夕食の前に眠りたいと言うと、主人は、いや、夕食を食べてから寝なさい、と言う。\(◎o◎)/! いや、それは無理! ぼくはとても疲れているので、夕食前に1時間横になりたい、と伝えてやっと部屋を用意してもらった。
 ひと眠りして、宿の主人とその妻と3人で夕食を食べる。肉とジャガイモの炒め物と青菜のスープで、ジャガイモもスープも美味しいけど、肉はあぶらだらけでとても食べられなかった。食事を摂りながら、宿の主人と筆談を続ける。この人は中学校の先生で、生徒はチベット族と漢族と○○族の3族いて、チベット人にチベット語を教えているらしい。夕食後、部屋に戻ってベッドに横になる。シャワーを浴びたい。頭を洗いたい。ドライシャンプーを持ってきてるけど、やっぱりちゃんとお湯で髪を洗いたい。

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