見出し画像

8月12日 ~ 帰国

8月12日(水)
 バスターミナルに行き、自転車をバラしていたら、おばちゃんが何か言っている。どうやらバスターミナルの関係者らしい。自転車を乗せるなら、別料金がかかると言ってるんだと思い、お金を払おうとするけど、どうやら違うらしい。チケットを見せろと言っているようなので、チケットを見せると、また何か言っている。どうやら、自転車をバラす必要はないと言っているらしい。それで、自転車を元に戻し、ターミナルの中に入る。成都行きのバスが入ってくると、他の客が大きな荷物を持ってそのバスの荷物室に入れようとする。すると、さっきのおばちゃんがその客を制止し、ぼくに自転車を持っておいでと手招きしてくれ、バスの運転手に話をして、バスの運転手がぼくに、自転車を先に入れ、倒れないように固定するよう指示をする。おばちゃんがいなかったら、他の客が我先に荷物を乱雑に積め込み、自転車を積めなくなって、バスの運ちゃんが「え~~っ、自転車を積むの~。それなら、先に入れとけよ~。」って顔をされただろう。おばちゃん、ありがとう。チベットではこんな優しい人によく会うけど、漢民族の都市では珍しい。このおばちゃんにしても、ホテルのおばちゃんにしても、ほんと助かった。冕宁にまた来たいと思った。でも、位置的に、次に来る機会はおそらくないだろうな。
 冕宁から成都までバスで6時間。行程は全て高速道路なので、予定通り16時に成都に着いた。到着したバスターミナルは街の中心から結構離れており、しかも、シムズ(宿)は反対側。途中にアウトドアショップが並ぶ通りがあるので、そこに寄って、18時にシムズ着。予約をしてたのは、明日の夜から2泊だけど、今夜から3泊にしてもらう。部屋に入り、荷物を整理して、洗濯をする。夕食はちょっと高いけど、無難にここでとる。


サービスエリアのトイレ

8月13日(木)
 今日はまず、中国東方航空の店舗にクレームに行くぞ。成都に着いたとき、自転車をその日のうちに届けず、翌日になっても電話がつながらず、わざわざタクシーに乗って空港まで取りに行った。そのせいでタクシー代3,600円と買っておいたバスチケット3,000円が無駄になった。それに1日が無駄になったので、ぼくの年収の1日分30,000円、その他にも下着と日用品1日分など全部で4万円を請求しよう。
 自転車で店舗に行き、空港でもらった紛失届を見せ、話をするけど、英語が通じない。パソコンの翻訳ソフトを使って、話をする。1時間ほどやりとりをしたけど、ラチがあかない。ここはチケットを販売するところだから、クレームの対応はできないので、明後日空港に行ったときに係の者が対応します。とのことだった。
 まあ、こんなもんか。でも、今回の件はあまりに対応が悪いので、絶対に許さんぞ!!!
 次はお土産を買うために、街の中心に行った。ヨーカドと伊勢丹がある歩行者天国の向かいに新しいショッピングセンターができていた。ヨーカドと伊勢丹が古くさく見えるくらい、お洒落な建物で、巨大なパンダが壁を登っている。このオブジェ、いつか落ちてきて、死者が出るんじゃなかろうか?と心配になる。ショッピングセンターの中に入ってみると、これまた豪勢で、エルメス、プラダ、ロレックス、タグホイヤー・・・高級ブランド店が並んでる。こりゃ、ぼくが買うものはないな。でも、フードコートがあるので、ここで昼食にしよう。外のちっちゃな食堂で食べれば200円ですむのに、ここだと1,000円。和食もあるけど、なんとか麺とたこ焼きみたいな肉まんを頼んだ。味はまあまあだった。昼食後、慣れたヨーカドと伊勢丹の食料品売り場に行き、お土産を買って、シムズに戻る。部屋で一眠りして、夕食に出る。ちっちゃな食堂で200円のチャーハンを頼んだ。

巨大なパンダのオブジェ
ショッピングセンター内のフードコートで昼食

8月14日(金)
 近くのスーパーでお土産を買い、明日の昼食用のパンを買うために再びあのパンダがよじ登っているショッピングセンターに行った。空港にケンタッキーがあるけど、かなり高いので、このショッピングセンターにあったおいしそうなパンを買った。それから昼食に、初日にリサさんと会った喫茶店で、中国で初めて見たステーキを食べようと思い外に出ると、大雨。参った。傘を持ってくれば良かった。あの喫茶店まで自転車で10分くらいだが、そこに着くまでにびしょ濡れになってしまうので、お店に入るには気が引ける。それで、仕方なく20分ほどかけてびしょ濡れになってシムズに戻る。ほんと今回は雨に恵まれた。成都で雨に遭ったのは、6回目にして初めてだ。
 シムズに帰って近くの食堂で昼食にする。それから、自転車をバラしてパッキングする。これには時間がかかる。自転車が破損しないように、クッションを要所に当てながら、段ボールに上手に納めないといけない。3時間ほどかかった。
 最後の夜、夕食はどうしようかな?近くで済ませてもいいけど、やっぱり美味しいものが食べたい。あの喫茶店のステーキがあきらめられないので、バスで行くことにした。ヒレステーキが1,300円。受付の人に指をさして注文すると何か言っている。おそらく「飲み物は?」と聞いているんだろう。「ピージウ(ビール)」と言うと、喫茶店なのでビールはなかった。しかも、聞いているのはそうじゃないらしい。一体何を聞いているんだろう?あっ、そうか。焼き方か。「レア」と言ったけど、通じない。筆談で「生焼」と書いたが、やはり伝わらない。伝わらないなら、ミディアムで出せばいいやって思わないところが、仕事に真面目というか誠実というか正直というか・・・。すると、次にやってきたカップルの男性の方がスマホの翻訳アプリで通訳をしてくれた。時々、気の利く中国人がいるんよね。やっとのことでレアのヒレステーキが注文できた。席について待つ。ちょっと期待。物価の安い中国だけど、レストランでも、肉屋でもステーキを見かけたことがないんよね。一体ヒレやロースやサーロインはどこへ行っているんだろう?まさか全部海外へ輸出ってことはないよね。また、全てバラやミンチになって他の料理に使われているわけでもないよね。もしかして、一部の富裕層だけが食べてるんだろうか。 

8月15日(土)
朝ご飯をゆっくり食べて、シャワーを浴びて、チェックアウトして、タクシーを拾う。午後出発の便だと朝ゆっくりできるのでかなり楽だ。結構混んでいたため1時間以上かかって、空港に着いたけど、余裕がある。まずはインフォで何番のチェックインカウンターかを確認する。13時半出発で、チェックインは12時からだという。今、11時。さあ、中国東方航空に損害賠償を請求しに行こう。でも、どこにいけばいいかわからない。荷物の受け取り場所には入ることができない。航空会社のカウンターも見つからない。やっぱりチェックインカウンターが開かなければ、だめか。昨日買ったパンを食べて、カウンターが開くのを待った。12時前になると、カウンターの前に2人が並んでいた。ぼくは3番目に並び、ぼくの後には4人が並んだ。同じ便に乗る7人のようだ。チェックインの時に、東方航空の職員が何か言うかと思ったけど、何も言われなかった。7人の手続きが終わってから、クレームを言おうかと思ったけど、職員は7人の手続きを終えるとすぐにどこかに消えてしまった。まあ、こんなもんか。中国語は話せないし、ぼくも相手も英語がペラペラなわけじゃない。日本に帰ってからの勝負かな。
 広島に飛ぶ7人を引き連れて、東方航空の職員が搭乗口まで案内する。まさか7人のために飛行機を飛ばすわけにはいかないので、成都→上海は国内線の飛行機を使い、国内線の客と一緒に運ばれる。そして上海で東方航空の職員が待機しており、その人がぼくたちを乗り換えのサポートをする。そのとき、上海で出国手続きをするのだが、係員は当然、東方航空の職員ではない。だから、ここでもチャイナクォリティの仕事っぷり。たらたら手際の悪い手続きが続く。東方航空の職員は広島行きの国際線にぼくたちを間に合わせようと焦っている。行きはこのせいで予定の飛行機に乗れなかったんよね。それも荷物が届かなかった1つの原因なんよね。ぼくは7人の最後に並んでいた。ぼくの前の人の番が来た。すると、その人が書類を1つ忘れていて、係員に用紙を渡され、それを書くよう言われている。おいおい、ちゃんとしとけよ~。この2分のせいで飛行機に乗り遅れたら、どうしてくれるんよ~。あ~、余裕こいて、最後に並ぶんじゃなかった。後悔。で、やっとぼくの番が来た。パスポートと搭乗券を出すと、係員が出国カードは?と聞く。えっ?何のこと???おいおい、ぼくも忘れていたのかよ~。急いで出国カードを書き、係員に渡して、何とか広島行きの飛行機に間に合った。(^_^;)
 予定よりちょっと遅れて飛行機は出発、広島にもちょっと遅れて到着した。でも、荷物はちゃんと出てきて、税関もすんなり通過して到着ロビーに出ることができた。ちっちゃな空港のせいもあるけど、やっぱり日本の空港スタッフのクォリティは高い。以前、自転車が破損していたことがあったが、ぼくの手を離れて、成都空港→上海空港→広島空港と経由して、再びぼくの元に戻ってくる。どこの空港で破損したのかは、分からないが、中国の空港では、自転車が雑に扱われ、広島空港では、ちゃんと丁寧に扱ってくれていることが容易に想像できる。

成都の空港内のコンビニ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?