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8月6日 →S215

 8:30出発。ここの標高は4000m弱。貢嗄山展望台まではあと20kmくらいか。見渡したところ、しばらくは上りはなさそうだ。ということは、今日中に展望台に着いて、S215に合流できるだろう。
 15分くらい走ると泉華灘という観光地に着いた。S215から分岐したところにあった表示によると、分岐から67kmの地点である。展望台が102kmだったから、展望台まであと35kmということになる。ということは、やっぱり今日中には着くだろう。
 ここ泉華灘には、2時間ほど山に登ったところに泉が湧いてるらしい。湧き水かあ、ちょっと見てみたいなあ。ということで、自転車を置いて、カロリーメイトと水を持って登ることにした。入場料は400円。30分ほど登ると、千枚皿みたいな池があった。あと、10万年くらい経つと、トルコのパムッカレみたいになるのかも知れない。それから1時間登ると、温泉のにおいがした。硫黄のにおいだ。もしかして、温泉?って期待したけど、冷泉だった。でも、勢いよく水が湧き出ている。なんかいい感じ。でも、温泉じゃないんなら、硫黄のにおいがしない美味しい水だったらいいのに・・・これが温泉だったら、ここにテント張って1泊するだろうな。でも、残念なことにやっぱりここにもゴミが落ちている。中国は経済発展が著しく、建物も車もずいぶんきれいになったけど、早くマナーも先進国に追いついてほしい。

勢いよく水が湧き出ている

 カロリーメイトで早めの昼食を摂り、来た道を戻った。下りは上りよりも楽だけど、たいぎい。12時前に入口までもどり、再び自転車をこぎ始める。未舗装だけど、軽い下りでぬかるみも轍もなく走りやすい。20km/h は出せないが、15km/h くらいで順調に進む。走り始めて1時間経った頃、雨が降り出した。雨季だからしょうがないけど、雨の中を走るのはたいぎい。雨をしのげるちょっといい木があったので、そこでレインウェアを着て、しばらく休憩していた。すると、すぐ近くの家から女の子がお茶を持ってきてくれた。お茶を飲んでお礼を言って、コップを返しても、その娘はずっとそばに立っている。ノートを出して、筆談をする。中学生で、今は夏休みだそうだ。中学校はここからどのくらいのところにあるんだろうか?通っているのか?それとも寮か?ゼスチャーを交えた筆談でも、その質問を伝えることができなかった。

 30分ほど休憩して、雨の中を走り始める。レインウェア、スパッツ、靴がいいものなので、それほど不快ではない。ゴアテックスを開発してくれたみなさん、どうもありがとう・サンキュー・謝々。
 2時間半走ると屋根のあるバス停みたいなものがあったので、再びそこで休憩した。標高は3700mくらいまで降りた。距離的には展望台に着いてもいい頃だが、標高があまりに低い。もしかして、ここらから登山道に入り、一気に上がるのか?それは勘弁してほしい。もしそうなら、雨の中、自転車を置いて、登山道を歩く気はない。
 15分ほど休憩して、再び雨の中を走り始めると、5分ほどで村があった。小学校もあった。そこから1時間走ると、なんと、S215に出た。えっ?展望台は???どうやら、どこかで展望台への分岐があったようだ。全然気づかなかった。というか、ちゃんと分岐には表示しといてくれよ~。でも、分岐に気づいたら、行ったんだろうか?標識の表示が正しいとすると、展望台まで分岐から19km。押して歩くと5時間はかかる。分岐を通ったのは16時半頃。当然、途中でテントを張ることになる。雨の中で。でも、19kmという数字は、そのときはまだ知らない。・・・行っただろうなあ。で、3時間経っても着かないから、ぶちぶちぶつぶつ文句を言いながら、雨の中、自転車を押し続けたんだろうなあ。・・・良かった。表示がなくて・・・。展望台にはまたいつか、乾季に来て、行ってみよう。

 S215に出ると、食堂と宿があった。時刻は17:10。今日はここに泊まろう。部屋でくつろいでいると、30歳くらいの男が入ってきた。この宿の人だった。英語はもちろん漢字も読めない生粋のチベタンだ。で、やたらと馴れ馴れしい。日本人が珍しいようだ。スマホで松茸の写真を見せて何か言っているけど、さっぱりわからない。次に貢嗄山をバックに撮った写真を見せてきた。これはいい。ここから近いのか?ぜひ、行ってみたい。そのことを伝え、いくら払えばいいか聞いてみると、1万円だと言う。びっくり~。2千円くらいだと思っていたのに・・・。で、断ると、いくらならいい?ってお決まりの文句。2千円とはあまりに言いにくいので、適当にごまかすけど、当然伝わらない。すると、日本語が話せる友人に電話をして、その人を通訳に会話をする。「4千円くらいだと思っていたけど、その値段で連れて行ってもらうのは悪いから、今回はあきらめるよ。」と伝えてもらうと、じゃあ4千円でいいよ、という。困った・・・。それでも何とか適当に断った。でも、その後もやたらと話しかけてくる。当然何を言っているのかはわからない。すると、ぼくの電話番号を教えてくれと言う。教えてあげると、すぐに自分のスマホに登録して、「ぼくと君はお友達」とジェスチャーで伝えてくる。そして、ぼくの携帯にも自分の電話番号を登録してくれと言う。???会話ができないのに、電話するのかよ???彼は先ほどの日本語のできる友人に電話して、彼女からぼくに電話してもらうと言う。おいおい、日本と中国で電話すると、1分170円だぜ。それを彼女に負担させるのかよ。それを伝えると、少ししょぼんとした。
 その後もほとんど意味の通じない会話が続いたが、また、松茸の写真を見せて何か言っている。もしかして、明日の朝、松茸を取りに行くからぼくにプレゼントしようと言っているのか?「明日、松茸を取りに行くの?」と写真を指さしジェスチャーで聞いてみた。どうやらそうらしい。それで、「松茸取りに行くのなら、連れて行ってくれない?」と頼んでみた。すると、OKというので、いくら払えばいいか聞いてみた。2千円というので、即了承した。

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