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【街歩き】神田界隈

本日は東京出張。
新幹線を東京駅で降りた。この時点で
会議の開始まで時間があったので会場のあるお茶の水まで歩いてみることにした。季節も暑くもなく、寒くもなくいい頃だ。

東京駅の丸の内口を出て、
北方面に歩く。 

まず丸の内のビル街を通る。

丸の内はまるで現代建築の見本市のようだ。
ビル街を通る。街路樹が美しく茂り
道を行くビジネスマンは颯爽と歩いている。 


まあ、そんなにイキらんでもと関西人の
私は思う。

※イキるというのは、関西弁ではりきっている人や、やりがいに満ちて生き生きした人を
やや、やっかみまじりに冷笑ぎみに揶揄する 
時に使う言葉です。

これは勝手な私の偏見ですが
歩いている人全員が
日本経済をその肩に背負っている
自負と晴れがましさに
イキっているように思うのだ。


かつて東京には6年ほど住んだが
どうにもイマイチ肌に馴染まなかった。 
こういうところがあるのかも知れない。
街を歩いていると少し疲れるのだ。
肉体的な疲れではない。

ヒートアイランド対策に基づいた賢い都市計画により配置された提供公園
ベンチではMacBook Airを広げている方も
木陰の下で気持ち良さそうだ。

ただ、これからの季節、蚊が心配です

神田駅を過ぎ須田町付近まできた。
この、あたりまで来ると街並みも庶民的になる。
ここで私はほっとする。

六文そばの味のある佇まい
ぜんざいが有名な竹むら
あんこう鍋で有名な いせ源
歴史ある渋い外観 昌平小学校

連雀町、須田町、小川町、末広町。
丘の上は神田明神。

少し肩の力が抜けた
歴史に培われた穏やかな 
街の表情を見せてくれる。

会議が始まるまでの時間、しばし
街の雰囲気にひたる。

会議が終わり、懇親会を1次会で引き上げ
お茶の水駅近くのホテルにチェックイン。
荷物を置いて再び街に出る。


人出はそれほどでもない。

夜の街を散歩する。

そこかしこに雰囲気の良い居酒屋が
バーが点在している

食事は済ませたので、バーにでも入ろうか
いやそれほど飲みたくもない。

なので表通りを避けて
路地から路地へと歩き続ける。
いい街だ。暗がりが優しい。

ふと思う。
この街で暮らしてみたらどんな
感じなのだろう、、、

たとえば

私は35歳 独身 男性
埼玉県生まれ
明治大学の建築学科卒
神田駅近くの設計事務所に勤め
歩いて通えるこの場所の1DKの
築20年の賃貸マンションに住んでいる。

趣味は映画と読書。
映画は70 80年代のアメリカ映画
ロバートレッドフォード ダスティンホフマン
メルリ ストリープ ジャックニコルソン
がお気に入り
読書はチャンドラーやロバートBパーカーの
スペンサーシリーズが好き。

友達から5年前に譲りうけた猫が同居人

定期的に会っている女性は一人いる。
5つ年下。
付き合っているといえなくはないが
結婚を考える関係ではない。
ただ彼女から別の人と結婚すると言われたら
その時は少し寂しいだろうが仕方ない。 
そう思う。

基本自炊生活だが、金曜日の夜は
近所のバーに行く。こちらに越してきた頃に
ちょうど開店した店だ。
カウンターだけの小さな店で
どちらかといえば無口なマスターが一人で
やっている。
もう5年通っているので、馴染みといっても
いい。
ハイボールを飲みながら、店のマスターと
ポツリ ポツリと会話をする。
薄手のグラスに立ち上るハイボールの黄金色の
小さな泡をじっと見つめてみる。

まあまあ満たされて
さほど不安はない

ただたまにひどく寂しさを覚えることもある 

「俺どうなるんだろう」

マスターに聞こえないように呟いてみる

という風な妄想が頭を駆け巡る。

さてそろそろ現実に戻ろう。
私は今は関西に住み、もう若くなく、妻もいて
この街には仕事で訪れたのだ。

その日はホテル近くのコンビニでハイボールを買ってホテルの部屋で飲んだ。

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