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6/26 vsFC東京戦 5発快勝、しかし…

ホームのサガン鳥栖が5ー0で勝利し、今季もシーズンダブルの勝利となりました。スタジアムから帰った後に改めてDAZNでも観戦し直しましたが、前半はビルドアップにも苦しみ、決して力の差を感じる立ち上がりではありませんでした。それは前半のスタッツも物語っています。それでも後半に入ると、磐田戦のショッキングな失点や鹿島戦での3点リードを失った展開などが見事に反省材料として活かされ、川井監督のもと、戦いながら成長する鳥栖が新たな強みを手に入れた日曜日となりました。

ところがその翌日、鳥栖サポーターにはこの5発快勝も軽く吹き飛ぶ、大変心を傷める報道が飛び込んできました。果たして真実はどう転ぶのでしょうか。

個人的採点

GK
朴 7点(MOM)
今日の試合のマンオブザマッチを選ぶのは大変に困難です。ジエゴ、小泉、岩崎、垣田、風智と候補がたくさんいるのですが、自分はやはり2度の決定的な状況を単身守って東京に流れをやらなかったパギを推します。ビッグセーブはいずれも1対1、いわば絶体絶命の状況になったのですが、四肢をうまく使ってこの圧倒的不利の勝負を見事に勝ち切りました。この勝ちがそのまま今日の勝利につながったと言っても過言ではないということで。精神的にも成熟したプレイを展開し、守備陣でのボール回しが危なくなっている流れの時は確実にボールを切ってリスクを早めに潰していました。ポゼッションにこだわるよりリスクヘッジを優先した。これはひとつ鳥栖のサッカーとして更新が入ったと捉えることができます。次節神戸戦でもこのようなサッカーができるでしょうか。

DF
ソッコ 6
田代に変わってDFリーダーを担当。元々開幕時点ではこのような編成だったので、うまく連携は取れていた。危ないシーンも早めのカットでチャレンジはせず、何度か突破された右からの崩しのクロスを防いでリスクを未然に潰した。

ジエゴ 6.5
後半入って直後の2点目は東京の反撃へのメンタルに大きな打撃を与え、試合を決定付けた。ただそれだけではなく高い位置、低い位置でそれぞれ違う質の高度な守備を見せ、相手の決定的なカウンターを潰し、攻撃に転じた。ボールコントロール、対人でも強く、鳥栖が長い時間ボールを持てる原因にもなった。人によってはジエゴをMOMに選ぶ人もあるだろう。今日の試合がJ1初ゴール。

島川 5.5
前半もたつく場面だったり、ポジショニングが被ったりと試合勘が戻っていない場面もみられたが、後半からチームに勢いがつくと島川自身もプレイのキレを取り戻し、クリーンシート達成に貢献。安定した動きを見せた。慣れてきたら得意の攻撃参加にも期待したい。

原田 5
移籍が騒がれる飯野七聖の代わりの右サイドとして登場。ロアッソ戦で中野嘉が同じポジションで良かっただけに、もし飯野のポジションが空くなら中野、荒木との競争にもなってくると思うが、この日は無難なプレイ終始。仲間との連携不足もあり、流れが来ている時にも決定的なクロスをあげることは出来なかった。ただポテンシャルは高いので、チームとしても必ず原田を仕上げてくるはずだ。

岩崎 6.5
スタジアムで見た時には今日のマンオブザマッチと確信していた。人によっては岩崎を推す人もいよう。ただ、後にDAZNで見返すと2点目はアシストというより東京の必死の守りにも関わらず転がった先がジエゴの足元という運の要素もあったので、6.5にした。もちろんそのチャンスも岩崎のペナルティエリアに侵入してのプレイあったればこそだが、かなり欲を言うとジエゴにパスするタイミングを少し誤ったところもあったので連携を確認すればジエゴー岩崎で今後もっと得点できる。1点目に関しては人間の成長を感じさせる感動的なゴールだった。詳しくいうと、岩崎のゴールの前にタッチライン側の判定、ファールと2つのジャッジ案件とも取れるプレイがあり、東京の選手の集中力が切れていた。いわゆるセルフジャッジの隙ということになるが、これは前節磐田戦で岩崎自身がまさにそのセルフジャッジの隙をつかれて失点の原因となっていたので、このゴールは自分のプレイの反省をすると共にそれを武器に変えたという、この上なく美しい成長物語だったとも取れるのである。だからこそ前節で同じく失点に絡んでしまった堀米は、一番に岩崎にダイブしてきたのだろう。川井監督も信じて岩崎をこの試合から外さなかったからこそ、彼の自信を取り戻し、チームとしても磐田戦を克服することに成功した。

小泉 7
もう1人のマンオブザマッチ候補。得点者ではないが、得点シーンや危ないシーンを見返すと、必ずそこに小泉が絡んでいてピンチをチャンスに変えている。当然、接触は多くなるのだが、その点についても実にプロフェッショナルな体の使い方で、カードをもらわず、かつ自分自身の怪我にも繋がらないような綺麗な脚の持っていき方をしている。小泉が居なければ昨日の前半の東京の勢いからするとどうなっていたかわからない。危機を好機に変える、本当に魔法のようなプレイだ。相手からすると攻めるほどなぜか危機に陥る。魔法のようなプレイは泥臭いハードワークが、ただただ愚直に生み出している。

福田 7
小泉と同等の活躍。アシストも決めた。磐田戦などで若干攻略された観も見えていたが、この日は開幕の広島戦から無双していた福田のプレイが戻っており、円熟味をみせた。ボディバランスとボールの扱い、パスコースを見る目が一級品でフィジカルも強く、ボールを失わない。無失点の立役者でもあり、複数得点の立役者でもある。ダブルボランチには文句のつけようなし。

小野 ー
途中交代で点は難しいが、試合開始直後は状態が良かったので、何とも惜しい退場だった。松葉杖を付いていたが大丈夫だろうか。小野がいるいないでは今後のリーグ戦が随分違う。

風智 6
小野の代わりに出場し、東京のゴールを脅かした。スウォビイクは得意な相手でもあり、難しいコースをあえて選択しながら1得点。先輩の代役を十分に果たした。しかしこれも欲を言うなら、まだまだらしいプレイが出来たと思う。かなり高い位置で奪ったシーンなどは宮代へのパスが早かったため、数的有利を活かせなかった。他にも全体にやや遠慮気味なプレイが多かったように感じた。これからのムードメーカーは風智になるだろう。もっとエゴイスティックにプレイしていい。

堀米 5.5
ハッスルプレイは相変わらず。この日はコーナーキックを福田に譲っていたが、磐田戦が少なからず影響しているのだろうか。中盤でのボール回しの上手さはさすがで、後半にはクロスかシュートかどっちにも取れる鋭いボールをゴール前に供給したが、決定的な仕事は出来ないまま交代。

FW
宮代 5
今日のこの流れなら得点したかった。縦の動きからの得点やアシストが得意だが、両サイドから供給されるボールをなかなか得点できていない。今後は岩崎やジエゴ、原田や堀米からのボールを押し込む連携も習得したいところ。

交代選手
FW 垣田 7
2得点をあげたら7を付けざるを得ない。1点目はポジショニングの良さから、2点目は時間をかけたものの、満身創痍のスウォビイクから見事してやったりのゴールを決めた。これでロアッソ戦から通算3ゴール。調子を取り戻したと言っていいだろうか。ひさしぶりの笑顔も見れた。次は苦しい時に点を決めて勝ち切る浦和戦のような得点も見たい。

MF 藤田 6
これまでの5得点を全て上書きするような強烈ミドルで会場を沸かせた。残念ながらクロスバーに阻まれたが、交代選手がこのようなプレイを見せることは鳥栖の強さを知らしめるに大変意味がある。福田、小泉とどう共存していくのか、今後も楽しみだ。

MF 相良 5
得意のドリブルで相手ゴールに迫る形は見せた。後は味方との連携の成熟がほしい。短い時間での起用が続くはずだから、ジョーカーとしての役割を果たすデザインがチームとして欲しいところだ。

MF 菊池 5.5
終盤の無失点試合に貢献。献身的なプレイで守備し、ボールをキープした。次節は得点に絡みたい。

監督
川井健太 7.5
スタメン人選、配置、交代のタイミング全てが完璧で、磐田戦のショックからチームもプレイヤーも救った。天皇杯ロアッソ戦を絡めた調整も成功し、チームの精神的戦術的建設術はもはや芸術の域に達している。広島のスキッペ監督と並んで今季のJ1屈指の名伯楽と呼んでいいだろう。試合前後のコメント(DAZN放送)では、謎に満ちた言い回しも見られ、相手も味方も監督の狙いを読み切ることは難しい。

飯野七聖の移籍報道について

デイリースポーツの報道以外に続報はないのですが、ヴィッセル神戸が飯野七聖の獲得を目指している旨、報道があり交渉も大詰めと記されていました。飯野はここ2試合、天皇杯まで含めると3試合のサイレント欠場。真実味はあるのです。続報が出ない理由は、飯野サイドにも今年鳥栖で完走しきりたい迷いはあるのではないかと勝手ながら推測してしまいます。もちろん、神戸は残留のために飯野が欲しいはずで、このタイミングでないといけないのでしょう。飯野にとっては大きな賭けとなるはずです。かたや天皇杯優勝、ACLも可能性が高い鳥栖で不動の地位を築いてる。一方の神戸は降格確定寸前です。さらに選手層で言うとキラ星のようにスター選手が集まる神戸の中で鳥栖のような不動の地位を築けるかは未知数。ひとときの待遇が良かったとしても、ここは難しい判断ですね。

個人的にLINEライブ「ななくみ」に入っている七聖推しの私にとっても彼が移籍してしまうと鳥栖の楽しみが40%減になってしまいます。

しかし神戸の目の付け所は流石と言わざるを得ない。七聖にはハートがある。上手くいってる鳥栖と比較してもスター軍団が揃う神戸がなぜ勝てないのか、その理由が彼ならわかるでしょう。七聖なら神戸を残留させることは出来るかもしれません。

いずれにしろ彼の判断を尊重するしかない。とは言え、今季前半は七聖が本当にチームを支えてきたと思います。ゴールが決まれば誰よりも早く祝福のハグをしにいくのが七聖でした。彼ほど今の鳥栖を愛している選手もいないでしょう。垣田が決めても堀米が決めても抱きつき虫の七聖。

ミスしたプレイヤーがいても「次やってやろーぜ」というコメントに私たちサポーターも救われたものです。

それでもチームは七聖無しでも戦える準備だけはしている。中野嘉、原田の右サイドの仕上がりは上々です。七聖ほどではないが完成に向かっています。惨敗の磐田戦、大勝の東京戦と自分のいない試合を観戦して七聖はどう思ったでしょうか。個人的には、、もっと自分の価値を高めてさらにいい条件の移籍をしてくれたらいいなと思います。今の鳥栖なら必ずそれは達成できる。しかし、選手の時間は私たち一般人の過ごす時間とはかけ離れたスピードで過ぎていくものでしょう。何があっても七聖の判断を応援したいと思います。(血の涙)。

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