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そのドアの向こうにある物語のような空間へ

窓のない白い外壁。一見ではお店には見えない。
中央区警固にあるクランクとマルチェロである。
クランクは1階のアンティーク家具ショップで
白色に塗られた引き戸の向こうに広がっている。
マルチェロは服飾、雑貨ショップである。左側
の階段を登り、白いドアの向こうに入口がある。



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階段を登っていき、お店の入り口と思わしき
ドアを開けると、そこは外であった。空を
見上げると、日は刻々と暮れかかっている。
お店がどこにあるのだろうかと不安になる。
屋上を見渡すと入り口らしきものがあるが、
その奥のお店の形を想像することができない。



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それでも、そこしか進むべき道はないのだから
このドアがお店につながっていることを信じて
進む。とても小さい文字でマルチェロと書いて
あり、これは間違いないと思いドアを開ける。
その先には階段があり、階下にお店があった。



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ようやくお店に辿り着くことができた。
お店は2階部分に広がっていた。3階の
入り口から2階へは階段だけがある。

途中、間違ったのかと思って何度か引き返し
かけた。ちょっとした冒険のようで、なんだか
物語の中に迷い込んだような気持ちとなる。

お店には、温かな木彫りの作品やアクセサリー
など、手にとってみたくなるものばかりである

お店に至るまでの動線をデザインすることで、
訪れる人の心に充実感と高揚感をもたらす。
1階とは小さな吹き抜けでつながっている。
天窓の上には水が張ってあり、光が揺らめく。

クランクとマルチェロ、ほんとに小さなお店
であるが、なぜだか大きな広がりを感じる。
ところどころに仕掛けがあり物語を感じる。

マルチェロで買い物を済ませた後、どこから
帰ったらいいのかと、お店を見回していたら
入口とは別の専用の帰り口を案内して頂いた。
楽しい時間であった。また今度訪れてみよう。

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