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日本の20世紀遺産 20選

この旅で日本の20世紀遺産 20選のことを、駅に設置
された横断幕で初めて知った。調べるとそれぞれに
歴史があり魅力がつまっている。また旅に出たくなる。

日本の20世紀遺産は、ユネスコ世界遺産(文化遺産)
の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)の
日本組織(イコモス国内委員会)が日本国内における
20世紀に作られた文化的財をたたえ、周知すべく選定
されたもので、2017年に選定物件が公表されている。


選定の視点としては、以下の内容である。

1) 20世紀に新たに登場したもの
都市公園、都市周辺部住宅開発、保存再生、軍事施設
モダニズム建築、大空間建築、大規模インフラ

2) 19世紀までにあり、20世紀に進化・展開したもの
酒造業、窯業、木造宿泊施設、鉄道関連施設、
洋風建築、インフラ、畜産業

3) 歴史上の事件を象徴するもの
第二次世界大戦、関東大震災、東京オリンピック

4) 伝統と20世紀遺産の対比・融合
寺院境内と都市公園、城下町とモダニズム建築群
神社境内とモダニズム建築群、庭園・邸宅と近代水道
近代和風建築と現代建築、伝統住宅と環境工学


そして選定されたのは、下記の20選+1である。

0広島平和記念資料館及び平和記念公園

広島平和記念資料館は世界の丹下氏の設計である。
デザインもさることながら、配置計画にも感動した。




1 上野恩賜公園と文化施設群(表慶館、東京国立博物館本館、国立科学博物館、東京文化会館他)境内と公園

敬愛なる前川國男氏の設計による東京文化会館。
コンクリートの造形による大胆なファサードだ。



2 国立代々木屋内総合競技場
  /大規模空間建築の傑作

丹下健三氏と坪井善勝氏による吊り構造の大空間。




3 立山砂防施設群 /水系一貫の総合的砂防システム

7:32頃に砂防の説明がある。立山砂防はすごかった。


4 黒部川水系の発電施設群
  /自然と一体化した電源開発の究極

憧れの黒部ダム。高さ185m、想像を絶するスケール感




5 瀬戸大橋/橋技術のシンボル

瀬戸内海にかかる瀬戸大橋。鉄道と道路の併用も。




6 青函トンネル/世界最長の海底トンネル

1998年、瀬戸大橋と同年に開通した青函トンネル。
二つの大規模な交通施設。1998年はインフラの年だ。



7 舞鶴の海軍施設と都市計画
 
/生き続ける軍都の格子状街路と赤煉瓦の施設群

海軍本拠地となった舞鶴。軍港の雰囲気を今に伝える



8 南禅寺界隈の近代庭園群/琵琶湖疎水を活用した      
  20 世紀の和風庭園・住宅群・都市周縁部開発

無鄰菴の母屋からの眺め。庭園と借景の心地よい空間。



9 隅田川橋梁群と築地市場他を含む復興関連施設群 
 
/関東大震災からの復興施設と近代橋梁群

隅田川にかかる橋の多様さに驚く。一度巡ってみたい。




10 迎賓館赤坂離宮
  
/明治の洋風建築と迎賓館への保存再生

明治期の近代洋風建築の到達点。日本とは思えない




11 聴竹居/近代の環境工学の思想を取り入れた傑作

和風に組み込まれたモダン。コーナーサッシもよい。



12 箱根の大規模木造宿泊施設群
  
/日本古来の伝統構法を生かした温泉旅館建築

クラシックホテルにはいつか泊まってみたい。
九州にいる間に雲仙観光ホテルを狙っている。



13 肥薩線(旧鹿児島本線)
 
/ 黎明期鉄道技術(英独米)の日本的展開

※広報ひとよし2018年1月号 参照 

鹿児島へも一度足を伸ばしてみたい。




14 鶴岡八幡宮境内の旧神奈川県立近代美術館
 
/社寺境内に挿入されたモダニズム建築の代表

リニューアルされ本当によかった。坂倉準三氏の想い
を感じに、いつか訪れたい。鎌倉は憧れの地でもある。




15 有田の文化的景観/町並、産業・文化施設群
  
/20世紀に継続発展した伝統産業景観の代表

うつわは見れば見るほど、使えば使うほどに、もう一枚
と沼のよう。ここは我慢し鑑賞する楽しみを味わおう。



16 旧朝倉邸と代官山ヒルサイドテラス
/近代建築理論の具現化と民間による都市周縁部開発

槇文彦氏による壁、窓、水平ラインでデザインされた街




17 小岩井農場
 
/欧米牧畜業の近代技術を導入し営まれ続けている
  農場コミュニティの景観

小岩井農場には21棟もの国指定重要文化財がある。


18 西条の酒造施設群
  
/20世紀に継続発展した伝統産業景観の代表

日本の三大酒処といえば灘、伏見、そして広島・西条だ



19 東海道新幹線
  
/高速・大量輸送旅客鉄道システムの原点

リニア鉄道館では東海道新幹線を体感できる。
シャープで走り出しそうな建物デザインもよい。




20 伊賀上野城下町の文化的景観
 
/旧城下町の都市景観にあわせた近代建築群の代表

坂倉準三氏設計の旧上野市庁舎もリニューアルの事業
が進められる。故郷の三重が活性化されるのは嬉しい。



20選+1。かなり悩ましい選定であったように思う。
選ばれてなくても、匹敵するものはまだまだあるはず。
でもこうして選定された案件は、確かに価値のある
ものだと思う。さあ、その価値に触れる旅を楽しもう。

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