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大小の石の並びに余白を感じて

世界遺産でもある仁和寺を後にして

きぬかけの路を北へと向かう

京都にある世界文化遺産も訪れて

これからは予約の要否を確かめよう

京都の世界文化遺産は、16社寺1城の計17カ所。関西
に戻ってからの最初の京都の旅で訪れた下鴨神社や、
前回の旅で予約が必要と知った西芳寺や、今回の旅で
訪れた仁和寺もその一つ。そして次は京都の衣笠山の
麓で、きぬかけの路でつながる世界文化遺産を訪れた。


拝観受付をして、三門をくぐり参道へ
境内に広がる池の風景に沿って
池の水面に映し出される光景を眺めながら
案内図には石の仏像と記載された坐像の前を過ぎ
石畳に沿って参道を進む
龍安寺の案内板で、その歴史にふれつつ
石段を上り、妻入の意匠が特徴的な庫裏へと向かう
柱や梁の位置や、海老虹梁による意匠も見上げつつ
拝観受付を済ます。右手には吾唯足知の蹲の資料の展示も
足るを知る。繰り返す日々の中で、何かを見出していきたい
庫裏を抜けて方丈へ
その方丈の前に広がる龍安寺の石庭では
白砂の上に大小15の石で自然が表現されていて
先ほどの案内板には枯山水庭園の極致とも
入口側から順に5個と奥の2個で七
続いて3個と2個のかたまりで五。分かりづらいけど
右手前が3個の計15個で、七五三の庭とも称されている
畳の間には儒学者の皆川淇園(きえん)による画と書も
訪れた時は32面にわたる雲龍図の襖絵も公開中で
奉納されたの細川護熙氏。襖絵を始められたのは2012年で
今では名だたる寺院に襖絵を奉納されている
部屋の一面ごとに第2から第8までの雲龍図
その繊細かつ迫力のある32面にも及ぶ圧倒的な襖絵
方丈内部には驚きの光景が広がっていた

雲龍図を奉納された際の動画も

陶芸から漆絵、襖絵へと。その圧倒的な量と質の作品は

建築家の藤森氏が手掛けたアトリエの不東庵にて

方丈の奥には苔に覆われた日本庭園も
勅使門の屋根飾りにも目が止まる
方丈、庫裏を後にして。ぐるりとまわり外部から
唐破風の屋根の意匠も楽しんで。手前の杮葺きの屋根の塀は
油土塀と呼ばれ、白砂を囲むフレームにもなっている
方丈を後にして先へ。訪れたのは12月半ばの紅葉も散る頃で
境内を覆う落葉した木々の隙間から空を見上げる
池のほとりに建つ龍安寺の西源院は
◯天下一ののれんがかかる湯豆腐のお店

龍安寺を再訪した際には必ずや

湯豆腐といえば、福山にある神勝寺で頂いたことを
思い出す。○△□の楽しい形は旅の風景につながって

湯豆腐はお預けにして、池のほとりの風景を楽しんで
鏡容池という名の池は、まさに鏡のように風景を映し出す
また案内図で経路を振り返る。次回はもっとゆっくりと
そして入口前の茶屋を引き返し駐輪場へ

ほら石庭が笑っている。ナレーションにもひかれる

紅葉で彩られる頃にも訪れてみたい

ご住職が砂紋を引く様子の動画も。音も風景の一部に


1450年に細川勝元により創建された龍安寺。1467年
から11年も続いた応仁の乱により一時焼失されるも、
子の細川政元により1499年に再興された。方丈庭園の
石庭は、室町時代末期の作と伝えられているという。

白砂の上に配置された大小15の石。その配置には様々
な説が挙げられているが、いまだに作者も意図も謎に
包まれているという。そして、並べられた石の意図は
見る者へと委ねられ、自分なりに解釈することになる。

白砂に配置された石の連なり。白砂に残された余白。
今までに出会った空間の経験や、感覚をふりかえり、
石庭をありのままに見て感じる。並んだ石にこちら側
の心が映し出されて、新たな感覚が呼び起こされる。

旅を続けて何かに出会う。出会いを重ねて、あらゆる
ものをありのままに感じる。その時々で感じるものは
変化していく。日々できることを続けつつ、その中で
気づきを得て満足を見出す。日常のささいなことや、
旅先で出会う何かによって。作庭の謎が解き明かされ
ないことを期待しつつ、龍安寺の石庭にもまたいつか。


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