壱岐を旅した。そこには、気持ちよい風が吹いている。
自転車を漕ぐ。島の風景が目に飛び込んで流れてゆく。
心地よいデザインと出会った。それは風景に溶け込み
そして風景をつないでいると感じる。主張はしないが
存在感がある。表面が光るのではなく内に光が宿る。
そのデザインに触れたのはほんのひとときのこと。
デザインがつなぐ島の風景や、人々の日々の暮らしを
想像するだけたが、その断片を垣間見た気がしている。
これらはLIGHTHOUSE設計株式会社によりデザイン
されている。風景を大切にする想いが伝わってくる。
空間がゆるやかにつながっていく。そして回りの風景
もつながっていく。大きな共同作業である。決して一人
ではできないし、とてもむずかしいことだと感じる。
いろんなことを受け入れる器が必要だ。空間としても、
心としても。日々のささいな違いを楽しみ、価値を見い
だせるなら、ゆるやかにつながっていけるのだと思う。
この設計事務所は、たちまちという活動を行っている。
建物をデザインするのでなく、そこの生活がデザイン
されることで、まちが作られて風景がつながっていく。
子供たちと今を、未来を考えた素敵なデザインがある。
「A Day in the Life」毎日はささやかな日常の繰り返し
で何気なく過ごす時間や、変わらぬ風景の中の少しの
変化。日々の野菜の味わい、晩酌の氷がコロンと鳴る。
人との会話で交わす言葉は時にやさしく、おもしろく。
何かを大切にしようという想いが大切な何かを作る。
壱岐には風景をゆるやかにつなぐデザインがあった。
そこに住んでいる人の想い、旅をする人の想いを紡ぐ。
壱岐の中で魅力的な風景をつくる素敵なデザインだ。
壱岐島の旅もそろそろ終わりが近づいている。今回も
いろんな風景にであうことができた。また、その風景
の先に見える景色も垣間見ることができた。あとは、
無事にフェリー乗り場まで辿りつき、お土産を買って
帰ろう。あともう少しだけど、壱岐島を満喫しよう。