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壱岐島には風景をつないでいくデザインがある

壱岐を旅した。そこには、気持ちよい風が吹いている。
自転車を漕ぐ。島の風景が目に飛び込んで流れてゆく。
心地よいデザインと出会った。それは風景に溶け込み
そして風景をつないでいると感じる。主張はしないが
存在感がある。表面が光るのではなく内に光が宿る。

そのデザインに触れたのはほんのひとときのこと。
デザインがつなぐ島の風景や、人々の日々の暮らしを
想像するだけたが、その断片を垣間見た気がしている。


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広い軒下空間はひとびとを迎え入れる
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絵本に出てくるような素敵な三角形の屋根
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ここはお菓子とパンとヨガの店


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風景に溶け込むようなシンプルな佇まいのゲストハウス



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交差点に面したゲストハウスは賑わいを作り出す



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ここにはおいしそうなビールの風景がある



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波のように雲のようにリズミカルに続く屋根


これらはLIGHTHOUSE設計株式会社によりデザイン
されている。風景を大切にする想いが伝わってくる。


「わたしたちを動かすもの」
建築を学び始めるころから建築士の仕事は「与えられた敷地で最大のパフォーマンスを発揮すること」だと思っていました。しかし、今わたしたちは、建築がつくられるそのまわりの環境の変化にも興味をもっています。環境を変えることから建築物という単体を考えること。そもそも建築物を単体でとらえず、1つ大きな屋根の下に家があり、お店があり、人の居場所が点在し、それらがゆるやかにつながっていくことを思考しています。まちのそれぞれの敷地は個人のものではあるけれどもその個人の権利よりも公共性が重要視されていくことが大切です。個々の空間が変わることで、社会が変わる、のではなく、社会が変われば空間が変わっていく。人の意識が変われば、昔からそこに存在していた古びた神社やツタの伸びた石垣も愛着のあるものとして見えてきます。
人と人がゆるやかにつながる社会では、空間は閉じることなく、どこか流動的につながっていくような、そんな新しい空間が求められる。この地域のリアルな生活を感じながら、感情をともなった風景を次の世代につないでいくことを目指しています。

LIGHT HOUSE ホームページより参照

空間がゆるやかにつながっていく。そして回りの風景
もつながっていく。大きな共同作業である。決して一人
ではできないし、とてもむずかしいことだと感じる。
いろんなことを受け入れる器が必要だ。空間としても、
心としても。日々のささいな違いを楽しみ、価値を見い
だせるなら、ゆるやかにつながっていけるのだと思う。


芦辺浦をふらっと人がたち寄るまちに。
人と人の交差点のような場にしたい…
そんな想いで「たちまち」始めました。
子どもたちの生き生きとした日常はこのまちの財産。
そして子どもたちのことを考えることはこのまちの未来を考えること。
学校でも学童でも、家庭でもない子どもたちの居場所を、
​まちの人や子どもたちと一緒につくっていくこと。
​一時的なイベントや指針などではなく、まちの日常をつくっていくこと。
子どもたちの新しい日常が芦辺浦を​他のどこにもない
魅力的なまちへと変えるでしょう。

LIGHT HOUSE ホームページより参照

この設計事務所は、たちまちという活動を行っている。
建物をデザインするのでなく、そこの生活がデザイン
されることで、まちが作られて風景がつながっていく。
子供たちと今を、未来を考えた素敵なデザインがある。


A Day in the Life
BY LIGHTHOUSE IN VIDEO
このビデオのタイトル「A Day in the Life」は、「大切な日常」を表しています。わたしたちが住宅をつくる時に、日常の中の美しいひかりであったり、静かな時間であったり、また家族との何気ない会話であったり、を楽しみながら生活できることを考えています。それは難しいことではなく、意識するかどうかの問題ではないか、だからこそ住まいをつくるプロセスも大切にしていきたいと思っています。

LIGHT HOUSE ホームページより参照

「A Day in the Life」毎日はささやかな日常の繰り返し
で何気なく過ごす時間や、変わらぬ風景の中の少しの
変化。日々の野菜の味わい、晩酌の氷がコロンと鳴る。
人との会話で交わす言葉は時にやさしく、おもしろく。
何かを大切にしようという想いが大切な何かを作る。

壱岐には風景をゆるやかにつなぐデザインがあった。
そこに住んでいる人の想い、旅をする人の想いを紡ぐ。
壱岐の中で魅力的な風景をつくる素敵なデザインだ。


壱岐島の旅もそろそろ終わりが近づいている。今回も
いろんな風景にであうことができた。また、その風景
の先に見える景色も垣間見ることができた。あとは、
無事にフェリー乗り場まで辿りつき、お土産を買って
帰ろう。あともう少しだけど、壱岐島を満喫しよう。


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