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文化や芸術がすぐそばにある日常

1977年に開館した下関市民会館。以来クラシック
やバレエ、オペラ、古典芸能など様々な文化芸術
に触れることができる場所として親しまれている。

文化や芸術が“すぐそばにある日常”を絶やさぬよう
下関市民会館が拠点となり、文化芸術の創造や発信
を続けていくと、ホームページで紹介されている。



山口銀行本店の建物を見ることで、思わぬ時間を
を使ったが、よい建物に出会えて気分よく進む。
しばらくすると、複雑に壁面が構成された建物が
見えてくる。またしても想定外の建物に出くわす。


角度を変えたり、格子状に組まれたり、小窓がついて
いたり、閉ざされていたりと自由すぎる外観である。
とても素通りすることはできない。甘い蜜に誘われる
ように建物に近づく。警備員への挨拶は欠かさない。

何の建物だろうと思って近づくと、文化会館であった
ので堂々と敷地内に入っていく。出入口らしきものが
あったが、どうやら楽屋への入口で、メインの玄関は
こちらではない。正面へとぐるりと廻ることにする。



正面にまわると、建物の表情のあまりの違いに驚く。
こちらは静かで落ち着いた文化的な香りのする外観。

同じ建物なのかなと振り返ってみる。違う設計者の
増築なのかと思ったりもするが、調べてもそうでは
なさそうで、音楽ホールという性質上、遮音の効果
に配慮して閉ざされた壁面で構成されている様子。

また、静寂感のある外壁の前には、浦山一雄氏の彫刻
が躍動している。アートが先か建物が先かは定かでは
ないがアートと建物のぜいたくな関係がここにある。

内部に足を踏み入れると、迫力のある空間が広がる。
せりあがる形状のトップライトからは光が差し込み、
空間の開放感は増している。階段はさながら舞台装置
のようであり、空間をつくる大きな要素となっている。

ここでは様々な催しが開かれ、建築やアートもある。
ここには、文化や芸術がすぐそばにある日常がある。



やはり建物に触れることは楽しい。風景やアートを
みることもよいが、建物には内部空間があるという
点が異なる。アプローチに沿って近づいて、内部に
入ることで、そこに込められた意図が伝わってくる。

また、美しく時を経ていたり、大切に利用されている
ことを感じたり、建てられた経緯に思いを馳せたり、
細部のつくりや、アートとの関係に目を細めたりと、
建物に触れて感じることの楽しみはつきることがない。


そうこうする内に、日はだんだんと高くなっていく。
そういえば下関港国際ターミナルの外観だけでも見に
行こうと思っていたところであった。下関港はすぐ目
の前にある。時間のことは考えずひとまず次へ進もう。

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