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そのトンネルは自然の力を増幅させる

地域の誇りである清津峡。2018年の大地の芸術祭で、
清津峡渓谷トンネルは斬新なアートに再生された。
既存のトンネルに設けられた新たな装置で魅力的な
空間が生み出されている。点がつながり線へ、そして
面で捉えられたトンネルは一連の空間を作り出す。

宿を出発して、清津峡に到着
鮮やかな緑。水のある美しい風景
清津峡のエントランス施設を通り過ぎトンネルへ
750mのトンネルを進む。途中には風景とつながる展望所
第二展望所にはステンレスで覆われたトイレ

2021年にはリニューアルされ、斬新なアート空間に。

暖かな光をまとうミラーで構成された幻想的な第三展望所
色味のある光で演出された通路の先には
光のトンネル。水盤とトンネルを覆うステンレスが景色を映す
ガラスの手摺は風景に溶け込む。子どもたちの視線の先には
雄大に広がる清津峡の景色がある

よみがえった清津峡渓谷トンネル。

そして、光のトンネルはいかにして生まれたか。
さまざまな困難を乗り越え、生まれた唯一の空間。


エントランス施設まで戻ってきた
建物の2階は足湯になっていて
天井の潜望鏡により外の風景とつながる
外には清津峡の景色が広がり
子どもたちは自然を満喫していた


次に訪れたのは、越後妻有清津倉庫美術館 SoKo。

旧清津小学校がリニューアルされSoKoという美術館に
赤い鋼材とガラスブロックからなる天窓は当初からのもの
壁面には磯辺行久氏のダイオキシンマップという作品
WCのサインは壁面のピクトとは限らない
校舎部分と体育館をつないでいる階段も
アートな空間に見えてくる
体育館から改修された美術館にも磯部行久氏の作品の数々
フローティングスカルプチャー2018という磯辺氏の作品は
ふわりと動き、空気の流れを視覚する
美術館として生まれ変わった体育館は

山本想太郎氏の設計で2021年にグッドデザイン賞に。

外に残されたプールの奥の黄色い旗も磯部氏の作品のひとつ

黄色い旗が並べられ、過去の記憶が再現される。

そして、プールも新しい作品の場となっている。

アートの持つ力を感じている、単体として力を持つ
アートだけでなく自然の力を増幅し、新しい空間体験
を生み出す装置としてのアートもある。清津峡渓谷
トンネルで体験したそこにしかない風景がある。途中
に設けられた展望所には、異なるデザインがなされ
高揚感を抱かせる。そして最後に現れる光のトンネル。
既存のトンネルに沿うように設置されたステンレス
や水盤に映し出される印象的な風景に心を奪われた。
アートと自然をめぐる旅はやはり楽しく刺激的だ。


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