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感性を刺激するアカデミックシアター

近畿大学の東大阪キャンパスに広がる景色を楽しんで

今度は東正門を西へとくぐり、道路をはさんで西側に
広がるキャンパスへ。今回、大阪の南への旅の目的の
ひとつとして目指したアカデミックシアター。そこは
文理の垣根を越え、社会の諸問題を解決に導くための
施設として建設された。1号館から5号館のデザイン
の異なる建物が融合し、驚きの空間が広がっている。
建設されたのは2017年で、NTTファシリティーズに
よる設計。今でもその斬新さは色褪せず輝くようだ。


今度は東正門からキャンパスの西側のエリアへ
あらためて校舎案内図を。目指すは中央左の1号館から5号館
通りの先の5つの建物で構成されるアカデミックシアターへ
動的なデザイン群のアイストップとなる黒いボリュームは

中之島美術館を彷彿とさせる

浮遊するような上部の箱体を持つ2号館は
ホールを持つ建物で、開口部によって印象を大きく変える
奥にそびえる1号館は国際交流の施設。地域住民も利用できる
中央には1号館から4号館をつなぐように配置された5号館
黒いボリュームの内部には、杉の廃材が充填されて
環境にも配慮された設計がなされている
建物の周囲をめぐりながら
建物の外観を角度を変えつつ楽しんで
開口部のディテールにも目を止めて
地盤から少し堀り込まれた建物の周囲をめぐり
また中央へ。階段の奥にはビブリオシアターという名の5号館
今回は外観までに。いつかは内部も見学に
隣のカーテンウォールとラチス状の木の構造の3号館は
ナレッジフィールドという24時間利用可能な自習室を持つ
様々なデザインで構成されたアカデミックシアターをめぐり
反対側の奥へ。ガラス張りの部分は中央に位置する5号館
そのビブリオシアターと呼ばれる建物には

本と人が交差する魅力的な場が広がっている。世界に
ここにしかない書棚空間は、松岡正剛氏によるもの。
そして現代の知の方舟を目指したというNOAH33。

知のどんでん返し。凸と凹。読みたい本がつながる場。
そこには好奇心を刺激する場と空間が広がっている。

編集工学研究所により、学生と知との距離は近づいて

学びが転換し反転し、世界がつながる。もっと知りたい
という思いに応える場所がある。本と本がつながって、
知識が広がって。ドンデンは、マンガ、新書、文庫が
一カ所に並ぶ世界唯一の空間。様々なものがフラット
につながって。文楽による紹介もとてもおもしろい。

その奥にはアメニティフィールドと呼ばれる4号館
様々なデザインの建物が複合しキャンパスの風景を作り出す
カフェが設置された4号館の開放的なピロティ空間には
四角と三角。幾何学的な組み合わせにひかれつつ
建物内部に仕掛けられたデザインも楽しんで
そしてピロティを抜けて、先へと続く建物群へ

2017年のグッドデザインも受賞した

アカデミックシアターはこんな所

動画で建設時の様子も楽しんで

超近大プロジェクトという名にふさわしい建物に

近畿大学アカデミックシアター。建物の設計の意図は、
「離散と集合・統合と分節を繰り返しながら
 うつろう空間を創造することで、都市のよう
 に多様な様相が同時多発的・自然発生的に
 立ち現われるプラットフォームを創出する」 
というもの。また設計者によって「散策性/街性」が
意図されている。残念ながら今回は外部からその様子
を眺めるだけに。複雑に複合している外観のデザイン
もさることながら、豊かな内部空間にもひかれている。
そこは日常生活で体感してこそ、実感できるものだと
思う。近畿大学の学生をうらやましく思いながらも、
この発想は何かにつながるはずと、この建物に出会え
たことをうれしく思う。平日なら内部見学も手続き
により可能のようなので、またいつかの機会にぜひ。

1号館から5号館までの様々なデザインで構成された
アカデミックシアター。それぞれの個性的な外観は
強く主張しあう。周囲をめぐれば、それらは大きく
見え方を変え、今にも動き出すかのようにこちらに
迫ってくる。それは学生の主体的な活動を促す装置と
してキャンパス内に活気を与える建物に。近畿大学
東大阪キャンパスはとてつもない建物を有している。

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