当時の姿へ生まれ変わった西洋館
深川製磁本店の向かいには、西洋館が建っている。
緑の円柱に支えられたバルコニーが特徴的な建物。
優しい色合いでも、 有田の街並みに存在感を放つ。
木造2階建ての寄棟造り、その疑似洋風建築の名
は旧田代家西洋館。有田焼の買い付けに訪れていた
西洋人をもてなすため、有田を代表する貿易商の
田代助作により、明治9年(1876年)に建てられた。
2018年には国の重要文化財にも指定されている。
有田にある西洋館は、2014年から2016年にかけて、
保存修理事業を実施して、建築当初の姿に復元され、
2017年より現在の姿で一般公開されている。1876年
に建てられてから140年以上も、有田の町を見続けて
きた建物。町は大火に遭い、道路拡幅により姿を変え、
そしてその建物は今、当時の姿に再現された。建物は
活かされ、受け継がれていく。建物を大切にする心を
感じ、有田にある西洋館にて豊かな時間を過ごした。
また、九州にある疑似洋風建築といえば、グラバー邸
を思い出す。グラバー邸は、日本に残る最古の木造洋風
建築であり、江戸時代末の1863年に建てられている。
かなり前に、長崎への出張のついでに朝の時間を利用
して訪れたが、時間もなく通り過ぎただけであった。
今は福岡から、SとNへの向けての旅の途中である。
もうすぐ長崎へもたどり着く予定だ。その時は、もう
一度、グラバー園にある疑似洋風建築を楽しもう。