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お菓子がもたらす幸せな気持ち


お菓子との出会いは、幸せなひとときである。

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松山には伊丹十三記念館が建てられている。
こじんまりとして温かみのある建物である。


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伊丹十三氏のポートレートが優しく出迎えてくれる。
その笑顔につられて、思わずにっこりとしてしまう。



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回廊に囲まれた中庭には、穏やかな空気が満ちていた。
遠い夏の日、瀬戸内ぐるり旅行で訪れた時のことだ。
子供たちはデッキに座り込み、石ころで遊んでいた。
ほんの束の間だったが、庭を眺めてゆっくりと過ごす。



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   伊丹十三記念館サイトより参照

建物がスケッチで紹介されている。
焼き杉板のやわらかい黒い壁と、
シンプルで水平な屋根のライン。
この素材と形は私の大好物である。



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伊丹十三記念館サイトより参照

しかも、カフェ・タンポポでは、この建物を
食べることもできる。建物とスイーツの幸せな
関係にうれしくもなる。屋根の水平ラインは
板チョコで、中庭の樹木はミントの葉っぱで
表現されている。食べるのは少しもったいない。


けれど、幼き子供たちとの瀬戸内ぐるり旅行。
限られた時間と、留まっていられない子供たち。
記念館を楽しむだけで精一杯だった。そもそも
記念館にいくことが出来ただけでもよかった。
今度はゆっくりとカフェとケーキを楽しみたい。

スイーツのような建物と、建物のようなスイーツ。
どちらも大好物だ。空間と甘い時間を味わいたい。




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Dinara KaskoはInstagramを利用しています:「This project was made for the presentation of new chocolate Ruby. The idea was to create a set of elements (cakes) that together would form…」

ディナーラ・カスコさんのインスタグラム参照

これは、ディナーラ・カスコさんの作るスイーツ
である。一見お菓子にはみえない。建築的な香り
を漂わせている。こちらは現代建築のようである。



Dinara KaskoはInstagramを利用しています:「My favourite combination of Biskelia and Alpaco chocolate by @valrhonafrance @valrhonausa plus caramel and caramelised cocoa beans 😋 Мое…」
Dinara KaskoはInstagramを利用しています:「nside: mousse with chocolate Ruby and meringue, ganache Ruby. I added a berry confit to the recipe to emphasize the berry flavor of…」

断面はこのようになっている。手の込んだつくり
は見た目だけでなく、スイーツとして味わいたい。

ディナーラ・カスコさんは、ウクライナ出身の
パティシエである。元建築家であったとのこと。
スイーツを作るというより設計しているという
ほうがしっくりとくる。羨ましい仕事である。



そのインスタグラムでは、今、ウクライナで起きている
ことが動画でアップされている。彼女の笑顔は悲痛な
訴えに変わっている。平和に過ごすことは、こんなにも
難しいことなのだろうか。人を笑顔にする仕事をする
人もいれば、悲しみに突き落とす人がいる現実がある。

日本経済新聞の2月24日の夕刊の1面は、
ロシア、ウクライナに侵攻という見出しである。
国々の領土争いは、いつまで続くのであろうか。
平和的な暮らしを望む人たちの声は届かない。

続く2面の記事は「お菓子で世界を平和に」である。
ユーハイム社長の河本氏は、次のように語っている。

「平和を創り出す人たちは幸せである」
生前のカールが遺したこの言葉は、ユーハイム
を貫く核であります。おいしいお菓子を分かち
合えるのは、平和な日常があるからです。

お菓子をつくることは、平和をつくること。

これからの100年も、子どもたちや大切な人にお菓子
を届けていきたい。ユーハイムは、お菓子づくりを
通じて、人と人をつなぎ、平和を創り出していきます

ユーハイム公式ホームページより参照


ユーハイムの創業者であるカール・ユーハイムは、
バウムクーヘンを日本に伝えたドイツ人とされる。
第一次世界大戦中に、捕虜として日本に連れて
こられた。2度の世界大戦に翻弄されながらも、
1919年にユーハイムを創業し、1923年に神戸に
一号店をオープンさせた。創業100年の重みがある。


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ユーハイムの歴史は続いていく。
BAUM HAUSは、昨年名古屋にオープンした
ユーハイムの新しい施設である。そこには、テオ
という名のバウムクーヘンを焼くAIオーブンが
設置されている。100年の歴史に驕ることなく、
新しい時代へと踏み出していく姿がある。

ユーハイムの河本社長は、
「お菓子で世界を平和にしていきたい」
と語っている。

平和の種は、身近なところにあるんだと思う。
お菓子を通じて、人が喜んだり笑顔になったり、
ささやかでも、幸せな気持ちが生まれる。
その心のゆとりが少しずつ広がればよいと思う。






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