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万博記念公園での思い出をたどりながら

10月に関西に戻ってから、週末の外出を順に追いつつ
記録している。今の所、3カ月半程前を振り返りながら
写真と言葉を楽しんでいる。今回の外出は昨年の12月
の初旬に、久しぶりに万博記念公園を訪れた時のこと。


万博記念公園の側に建つ日本一の高さの観覧車は

全面シースルーでも冷暖房完備。一度は乗ってみたい

その隣には、動物たちと間近で会えるニフレル
ニフレルのNは生き物のように柔らかなフォルムで

2015年開館のニフレルは、感性にふれるがコンセプト

いつものようにチケットを購入し万博記念公園の中へ
以前と変わらぬ様子の太陽の塔を見上げながら
裏側の過去の顔の様子も確かめる
お祭り広場に落ちる塔の影。あらためてその大きさを感じつつ
公園に広がる風景や気になるものをたどっていく
訪れたのは12月の初旬で、紅葉と落葉が重なる季節
葉を落とした木々の間から差し込む太陽の光の下
現代美術の森とよばれる彫刻作品が点在する森の中を進み
様々な意味が込められた作品をめぐる
ささやかな日常、忙しなさ、世界で起こる出来事への悲しみと
こちらはメキシコのセバスチャンのケツァルコアトル

日本に10を超える作品があり、堺にもその一つが

彫刻の重さに反した軽快さを持つ作品の名は「韻律と理由」
小田信夫氏の「阿」は、物事や物質の始まりの意味を持つ

2005年オープンの現代美術の森に13点の彫刻が並ぶ

万博記念公園といえば四角いオブジェも思い出す


彫刻が点在する森を過ぎ、小川を渡り
冬の日差しと水面を楽しみつつ
様々に色づく森は光を遮ったり通したり
所々の紅葉も楽しんで
広い公園の中を進んでいく
気持ちのよい空と木々の風景の中
遠くには国立民族学博物館の姿
メタセコイアも色づいて。奥に見える自然観察学習館の中には
万博記念公園の変遷の記録が残されている
森が拓かれて開催された1970年の大阪万博
万博の後、その場所は再び緑を取り戻すべく整備され
30年の時は緑を育て、自然あふれる公園へ
今その恩恵に与っている。2000年に整備されたソラードは
万博記念公園の中でもお気に入りの場所。吊り橋を渡り
折り重なる木々を上から眺めることのできる
森の空中観察路のソラードを進む
通路は木々の上や間を抜け
森と一体となる。自然に包まれながら
子どもたちと何度も通ったことも思い出す
木登りタワーから吊り橋を渡り、色のトンネルを抜け
終点にある展望タワーを上れば
万博記念公園の緑全体を見渡すことができる
高階杞一氏の詩。今まで見えなかったものへの旅を続けよう
今度は空へ向かって上る階段を
枯れたグラスの葉のその先に
まだ見ぬ風景が広がっている
園内の通路に沿って、水辺に映る緑を眺め
葉を落としたプラタナスの並木道を通り
葉を落としたプラタナスの枝のシルエットや
鮮やかに色づくイチョウの木を見上げつつ
樹木の影が落ちる通りを進む
脇道にそれればススキの穂
以前には目に映らなかったものにも立ち止まり
子どもたちと飛び石づたいに歩いた記憶をたどる
大きくなって赤いすべり台に上れるようになったことも
風景は書き換えられて、今ではこんな施設も
万博記念公園の芝生広場での思い出にひたりつつ
じゃぶじゃぶと小川の中を突き進んでいった次男のことや
芝生広場をひたすら走り回っていた長男のことも
二人とも大きくなって嬉しいかぎり
私はというと変わらず気になる風景を見続けている
この木は何やろなどと
パネルをめくったりしたことも思い出して
Park Cafe。何かを買わないと通り過ぎられなかったり
水辺の向こうの国立民族学博物館にも連れて行ったりも

建物を見ると、つい過去の記憶もたどってしまう

公園の西側をぐるりとめぐり、左奥にかすかに見えるのは
EXPO'70 パビリオン。万博当時、鉄鋼館という名の建物は

前川國男による設計で、愛され使い続けられる建物に


公園の風景を懐かしみ、大きな公園をぐるりとめぐる。
万博記念公園には、子どもたちが小さかった頃によく
来ていた。木々の中の通路、森の小道、小川のせせらぎ、
日差しを受ける芝生広場、子どもたちとの楽しかった
思い出にひたりながら、公園に広がる風景の中を進む。


万博記念公園は、1970年に大阪万博が行われた場所。
その後、100万本に近い木々が植えられて30年程で
緑豊かな公園へと姿を変え、そして今へ。公園に立つ
木々はいろんな人の思い出を見守り、また未来へと時
を刻む。子どもたちが大きくなり、やがては子どもを
持つようになったとき、いつか万博記念公園を訪れ、
この風景を思い出してくれたならばうれしいものだ。

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