受験は、新たなステージへ向かう「キモチの棚卸し」かもしれない・・・
2月1日の解禁日以降、連日各校で行われていた中学入試が一段落した。本校でも12月の帰国生入試に始まり、2月1日を皮切りに午前午後の時間帯に分け、2科・4科・思考力・特待・プラス・英語とさまざまな型での入試を実施してきた。
本校を第一志望に、また親子ともども教育の特色を十分にご理解いただいた上で「ぜひ、ここで学びたい・学ばせたい」と、多数の受験をいただけたことに対し、心からお礼を申しあげたい。
昨年は開校初年度ということで、合格者の歩留まりを読むのがすごく難しかったと聞いた。実際、定員の1.5倍の生徒が入学することになり、嬉しい悲鳴をあげる一方、さまざまな対応が必要になった。それを受け、2年目の今年はいかに定員ピッタリの入学者数にするかが大きな課題となり、入試型ごとに歩留まり予想も含めた慎重かつ厳しい合否判断が連日続いた。
https://www.daltontokyo.ed.jp/examination/status2020/
果たして、こちらが想定したようになるのだろうか・・・。当然、他校も併せて受験して合格した場合、どこに行くかを決めるのは受験生であり、保護者でもある。入学金が納入されたからといって、絶対ではない。あとで他校の合格が決まったとか、どこの学校でもごく少数だが、そこから抜ける者も出てくる。
結果は、明後日(15日・土曜日)の新入生登校日。その日を待って最終確定になるが、今のところほぼ定員どおりの入学者数となる見込みだ。
・
さて、ボク自身、首都圏の私立中学入試を目の当たりにしたのは、今回が初めてのこと。これまで関西での私立中高入試に34年、沖縄での私立幼小入試に2年携わってきたが、その背景や状況には大きな違いがあることを再認識した。この地に染まってしまえば違和感はないのだろうが、「過熱」と「当然」に迷いながら、将来への不安を拭い、期待をカタチにすべく飛び込まざるを得なかった「受験という大河」のなんと激しく深いことか。決して善し悪しで語れるような単純なものじゃなく、保護者の意識、塾との関係、学校のスタンスなど、そこには教育を取り巻く別次元の価値観が横たわっている。
ふだんの生活そのものが違う。人口や学校数、塾へのアクセス、生き方の選択肢、入ってくる情報量など、社会的なリソースが決定的に違うと言えばそれまでだが、同じ日本とはいえ、ここまで地域によって「社会環境」「教育環境」が違うと、何を基準に「あたりまえ」を定義し、共通言語として語れば良いのか、正直迷う。
とはいっても、子どもの幸せを願うという意味においては同じだった。
そこには、受験という関門をくぐり抜けることを「成長の過程」と捉え、親子でポジティブに受け止めていこうとする純粋なキモチ、煌めくココロがあった。
そして、それを応援したいという在校生からのプレゼントもあった。
・
本校を受験したものの、ご縁を結べなかった受験生のお母さんからいただいたメッセージを2つ。
☆——
娘が他の中学に行く決心をしたので、あと一回明日の試験を残しているのですが娘の受験はここで終わりにしたいと思います。
ドルトンのミニ説明会で壇上に立った生徒さんたちのプレゼンがしっかり私の元へプレゼントとして届きました。中1であの完成度のプレゼンができるのは本当にすごいですね!
塾の先生は2回目の試験で出題パターンがわかったとおっしゃって、娘の手に届かない学校ではない!と先ほどまでカナリ親身に解析してくださっていたので明日の試験を受けて欲しそうでしたが・・・娘はプラス思考なので「きっとどこ行っても楽しいよ」とスッカリ切り替えています。
ドルトンは本当に素敵な学校だと思います。生徒の皆さんがみんな仲が良くて自由にキラキラしていました。
☆☆——
息子は□□にご縁をいただきました。ラグビーを幼少期からやっていているので、ラグビーが盛んで人間教育に軸足をおく□□の教育が息子にとても合うと感じています。
ただ去年の夏に安居先生とお目にかかり、ドルトンの魅力に魅了され、ラグビーはなくとも進学させたいと思える唯一の学校となり、最終的には息子も□□とドルトンの2校に志望校を絞り、頑張ってきました。
2月1日、本当に生徒さんは素晴らしかったです。息子は午後の試験にチャレンジさせていただきましたが、朝から神経を減りすらした父兄が説明会で話をきくうちに、みなさん表情が明るい表情に変わっていきました。そんなおもてなしをしてくださる学校はどこにもありません。
息子は試験後『この学校は特別だね。めちゃくちゃ頭良さそうな子もたくさんいたし、親も個性的な感じ。』『試験を手伝っていたドルトンの生徒が超楽しそうで、廊下で踊ってるのも見えて、いいなあと思ったよー』『□□に受かっても、ちょっとこれは迷うね!』なんてはしゃぎながら、一緒に帰途につきました。
が….残念ながら、ドルトンは不合格。2日に受ける選択肢もありましたが、家族一同『ご縁だね…』と総意で□□進学を決めました。何事も前向きに捉える息子は『ドルトンも受かっていたら、本当に迷っちゃって悩んじゃうから神様が決めてくれたんだね!』と、私もまさにそうだと感じました。
我が子がお世話になれず、それは残念ではありますが、このような学校が日本にできたことをとても喜んでおります。
・
入試当日、控え室でお待ちの保護者に向けて、学校のようすを自分なりの言葉で伝えた生徒たち。希望者を募って集まった、当日限りのチームだ。
何をどう伝えるか・・・ハナシの中身や構成を自分たちなりに考え、先生にシェアして臨んだ保護者の前。用意した説明は自分の言葉で自信を持って語れるが、質疑応答ではどんな内容が飛び出してくるかわからない。
でも、生徒たちはやりきった。きわどい質問にも、わかる範囲で、誠意を持って、生徒目線で答えた。
そう、それこそが「相手の立場になって」やったってこと。こちらが言いたいことを投げるのではなく、相手が聞きたいことを届ける。それができたってこと。
そして、それがしっかり受験生や保護者に伝わっていたということ。
これも、在校にとっては「受験」であり、一年前の自分を振り返り、今の自分と対話する機会でもあった。
・
入試を経て、ご縁を結べた学校はそれぞれ。それが第一志望であろうがなかろうが、4月からの学びのステージが変わるのは間違いない。
この先、どんな社会や人生が待ち受けているかなんてわからない。さまざまな選択や判断が目の前にやってくる。
それが生きることであり、立ち向かうは自分自身。
選択や決断に正解はない。
正解(=納得解)にしていくのは「自分」だ。
・
・
受験生のみなさん
ご家族のみなさん
おつかれさま!
プレゼントは、未来への大きな可能性♡
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?