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藤本タツキ『ルックバック』(書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」10月21日放送分)

※MRO北陸放送(石川県在局)では、毎週木曜日の夕方6:30〜6:45の15分間、書評ラジオ「竹村りゑの木曜日のブックマーカー」を放送しています。このシリーズでは、月毎に紹介する本の一覧と、放送されたレビューの一部を無料で聞くことが出来るSpotifyのリンクを掲載しています。

※スマホの方は、右上のSpotifyのマークをクリックすると最後まで聴くことができます。

<収録を終えて>
 『ファイアパンチ』『チェンソーマン』の藤本タツキさんの長編読み切り。今年の7月に漫画アプリ「少年ジャンプ+」で無料公開されたものを読んだ時から、絶対ラジオで紹介しようと思っていました。それには私なりの深い理由があって、熱い思いはラジオで語らせていただいた通りです。

 『ルックバック』は、個人的にも、私の周りにいるクリエイターを生業としている人に勧めまくっています。物語の主人公は、藤野ちゃんという小学4年生の女の子なのですが、その年齢にして「創作の喜びと苦しみ」を既に味わっている側の人間でもあります。そんな藤野ちゃんの姿が、作り手として生きる人達の心に響き、そして抉るのですが、一方で非常に励まされると思うからです。

 友人の画家に勧めたところ、
「勇気づけられる一方で、なんだか物寂しさも感じました。そんな人いるのだろうか、とか。いつ届くのか、とか」という感想をくれました。ちょっとその言葉に胸を打たれてしまったので、ここでご紹介します。(ちゃんと届いてます。そして、これから沢山の方にお届けできますよ。大丈夫ですよ)

 クリエイターとして生きるのは、暗闇に向かってボールを投げ続ける恐怖と、それでも投げずにはいられない衝動に苛まれて、苦しい人生でしょう。
 それでも、人間は創作する生き物なのです。どうしてなんでしょうか。

<了>

注)
記載したSpotifyのリンクから聞くことが出来るのは、番組の一部を抜粋したもので、BGMや、番組を応援してくださっている「金沢ビーンズ明文堂書店」のベストセラーランキング、金沢ビーンズの書店員である表理恵さんの「今週のお勧め本」は入っていません。完全版はradiko で「木曜日のブックマーカー」と検索すると過去1週間以内の放送を聞くことが出来ます。

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