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レシピ本、そのはじまりの物語

物語は一通のお問い合わせから動き始めた。

「レシピ本を出版しませんか?」

という内容のメールを読み終えた私は、思わずフハァと笑ってしまった。

「フハァ」の正体は……そう、まずは驚きだ。
そして大いなるワクワクと少々の不安がそれに連なっている、といった感じだろうか。

意図せず思わぬ言葉が飛び出してきたものだ。

(レシピ本……)

確かに、Twitter担当として本を出すということに私は憧れていた。しかしそれは実現するにしてもずっと後のこと、少なくとも中の人を卒業してからだろうと考えていた。

(まさか現役のうちにお声がけいただけるとは…)

大変光栄なことである。
が、しかし。

たったひとつだけ、ちょっとした問題があった。

それは「私が決して料理が得意ではない」ということだった。


(つづく)

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