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最初の試練、アイデアの壁

書籍企画書が届いた。

「書籍名:日本いちバズる農家のブロッコリーレシピ(仮)」

まず目についたのはもちろんこちらの、なんともおそれ多い本のタイトルだ。光栄であると同時に大いなるプレッシャーもあったが、あいにくネーミングは苦手分野。

書籍界隈の事情にも詳しくないため、この辺りはお任せした方がベターであるように思えた。

「日本いちバズる」という見方もしていただけるようになった、という点については本当におかげさまである。

受け手がおらずとも情報発信は可能だが、反響は受け手なしには成立しない。しかるに今回のレシピ本の制作にあたっては、これまで支えてくださった人々に対して感謝の心を忘れてはならないのだ。

本の内容は「ブロッコリーに関する知識を盛り込みつつの全編ブロッコリーを使った料理本」といった感じだ。

そしてありがたいことに、レシピ本の肝となる料理や料理写真についてはプロの皆さんに見ていただけることになった。

「ではプロの皆さんに協力していただくにあたって、ブロッコリーのレシピアイデアを70ほど提出願います」

いきなりやってきた正念場。編集のナカジマさんから与えられた最初の試練、レシピアイデア70。

これには過去にツイートした20のレシピが含まれるので、実質残り50アイデアとなるのだが、それでもなかなかの量である。
 
私のタブレットには技術的に可能か不可能かわからないまま殴り書きされたレシピの断片が多く潜んでいた。

まずはそれを収集しながら、会社の掲示板に「訳あってレシピ募集」と張り出し、料理上手なスタッフさんたちからオリジナルなレシピ情報も収集。

果ては社長までもを巻き込む一大プロジェクトとなった。もちろんそれらのアイデアが「安井ファームの枠」を越えないよう、心がけた。

そんなこんなでなんとか集まった70を超えるアイデアたち。もう一滴も出まい、というところを3回くらい限界突破してたどり着いたブロッコリーレシピの境地だった。

(つづく)

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