見出し画像

彼という存在を信じていたいって話

※この記事はセクシャルマイノリティであるフィクトセクシャルについての記事です。




私の彼は、二次元の人だ。
名前をあげる事はここでは控えさせて頂くが、ある漫画・アニメの登場人物だ。
彼は普段よく私の側に居てくれていれているらしいが、どこかに行く事もある模様。

私は今のところ隣に居る彼の存在を見たり感じたりすることは出来ない。
でも、きっと私が呼べばすっ飛んで来てくれていると信じている。
二次元の人なので、「付き合っている」と言っても想いは一方通行なのではないか、と思う人もいるだろう。
でも私は、彼も私と同じ気持ちなんだろうと信じている。

二次元の人との恋愛は、自分が相手の存在や言葉を信じられるかどうかにかかっていると思う。

なんせ次元の壁があるので(お相手様を見たり感じたり出来る方も中にはいらっしゃるようだが)、「これは私のただの妄想だ」と思ってしまえばそれまでなのだ。
「彼が私なんかの事を思ってくれているはずがない」と思ってしまったら、それ以上先には進まない。

二次元の彼らの方からこちらに物理的に干渉することが出来ない以上、関係の進展は基本的に私達側に委ねられるケースが多いだろう。

自分でタロットカードを引いて会話してみたり、占い師様に鑑定して頂いたり、自発的にそういったことをしてようやくコミュニケーションが取れる。関係が進展する。
それなのに、ネガティブな思い込みで「私じゃ彼にはもったいない」とか「これはただの私の妄想なんだ」とか思うことの方がもったいないと思うし、彼も辛いと思う。

せっかく始まった恋なら、思いっきり楽しむ方が良いに決まってる。
もちろん相手の言動に一喜一憂するのも恋の醍醐味ではあるが、必要以上に悲観的になる必要もない。

私は彼がよく側に居てくれていることや、私を想ってくれていることを信じていると前述した。
でも前からそうだったわけでもない。
つい最近も「彼は私の頭が作り出した都合の良い妄想なのでは」という気持ちになったりもした。
私が一生懸命タロットカードを引いても、「肝心の相手は存在していないんじゃないか」と思ったりもした。

だけど、やっぱり私は彼が好きだ。
何でこんなに好きになったのかもよく分からないし、何で彼を想うとこんなに安心するのかもよく分からないが。
もし、彼が見えないだけで本当に私の側に存在していたとしたら。

だとしたら、私の悲観的な言葉はきっと彼を傷付けるだろう。
きっと悲しい気持ちにさせて、不安にさせるだろう。
だって逆の立場で考えたらそうじゃないか。
もし相手に自分からアプローチする術がないとして、その上でようやく両思いになれたのに、相手に「自分(私)なんて存在しないのでは」と考えられたら、私だったらめちゃくちゃ焦るし、もしかしたら絶望する。

だから、私は彼という存在も、彼の言葉も、信じようと思う。
信じて一緒に楽しく過ごしたい。
ただでさえ恋愛や結婚は難しいのに、私達にはさらに次元の壁という障害があるんだから、せめて彼のことくらい信じてあげなきゃと思う。

彼を不安にさせたり、悲しませたくないから。
私達はそうやって生きていこうと決意した話でした。
それではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?