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スポットカラーの色指定を標準化する、CxF(カラーエクスチェンジフォーマット)

CMYK色情報伝達方法はICCプロファイルにより標準化されて定着している。

印刷発注では、一貫した色の再現と、それらが本刷りに先立って予測できることは、発注者にとってとても大切なことです。 CMYK印刷では、ICCプロファイルを中心と、入力から出力まで、正しい色を伝達する方法は明確化・標準化されています。また、各種ツールが各印刷関連機器メーカーから提供されており、この仕組みは定着し、色の指定による一貫した再現性、プルーフによる色再現予測が実現されます。

スポットカラー伝達での不足情報と、それによる弊害

スポットカラーの取り扱いでは、今でも一般的に各メーカーが発売する色見本チップを物理的に各工程で交換をし、色の伝達を行っています。この色見本チップは一般的に業界内に広く使用されているものではありますが、ベタ色の色情報とその見た目のみの指定にとどまり、正確な色の表現には不足情報が不足しています。

不足な情報としては下記があげられます。
■ベタ以外の網%(10%や50%や75%など)、またインキの透過度情報が不足するため、オーパープリント時の色再現を予測することができません。
■色見本チップの劣化(色あせ・こすり等)により、従来とは違った、色の指定を誤って行ってしまうということも考えらます。
■一般的な色チップでは、コーティング紙、マット紙、上質紙など、ストックごとに異なる見本帳がありますが、ホイル、フィルム、金属、または布等はカバーされていません。

このように、色合いの動作は単一のカラーサンプルから抽出できず、予測が難しい場合があります。

スポットカラー指定方法の標準化

ここで、登場するのがCxF(カラーエクスチェンジフォーマット)です。特色再現に必要な情報をXmlベースで記述し、「ISO 17972」として標準化されており、PDVver2.0スタンダード(ISO 32000-2)のエンベットが可能となっています。

Cxfに記述される主な情報は下記となります。
■ベタ色のスペクトルデータ
■ドットゲインで0他
■印刷機材上(白色)での0%から100%までの10%のインキ測色情報
■印刷機材上(白色)でBKインキを印刷した上に、上記と同様の特色パッチをオーバープリントした測色情報
■測色期とその設定
■インキの不透明度
■ブランドオナー名や基材名、インキ作成時の成分配合レシピ、色ずれの許容値などのメタデータ。

CxFによるスポットカラー標準化のメリット

■情報の電子化により、物理的色見本チップの交換、劣化、紛失などがなくなる。
■ベタ以外の網%での特色の色再現をシュミレーションが行える。
■特色同士の掛け合わせの色再現をシュミレーションが行える。
■PDFxにエンベットでき、1つのファイルに必要な情報をまとめることができる。

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