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【チャリティ・イベント・レポ No.17】『第73回チャリティーコンサート メサイア(藝大メサイア)』(東京藝術大学 奏楽堂) #寄付月間

先週12月22日(金)の夜は、東京藝術大学奏楽堂で開催された『第73回チャリティーコンサート メサイア(藝大メサイア)』に行ってきました。

今回、初めてその存在を知りましたが、こんな素晴らしい老舗のチャリティーコンサートがあるとは知りませんでした。
朝日新聞厚生文化事業団、朝日新聞主催で、1951年(昭和26)年から開催されているものです。
第1回の公演は戦災孤児支援を目的として開催されていたというのも歴史を感じさせます。

第73回チャリティーコンサート メサイア(藝大メサイア)

日時 2023年12月22日(金)18時30分開演 (17時45分開場)
場所 東京藝術大学 奏楽堂[大学構内](東京都台東区上野公園12-8)
演奏曲 「メサイア(救世主)」(G.F.ヘンデル作曲)
指揮 梅田 俊明
独唱 ソプラノ=藤原 優花
アルト=德田 あさひ
テノール=田中 裕太
バス=及川 泰生
管弦楽 藝大フィルハーモニア管弦楽団
合唱 東京藝術大学音楽学部声楽科学生
入場料 SS席12,000円、S席6,000円、A席5,000円(消費税込・全席指定)

「藝大メサイア」の名称で親しまれているこのチャリティーコンサートは、1951年(昭和26)年から開催され、今回で73回目となります(新型コロナの影響で、第70回、71回は中止)。継続して開催されているというのが素晴らしいですね。
「藝大メサイア」の名前の通り、「メサイア(救世主)」(G.F.ヘンデル作曲)を演奏するコンサートです。
「メサイア(救世主)」とはイエス・キリストを指し、その生涯が3部作で描かれている、合唱と管弦楽による曲です。中でも「ハレルヤ」の曲はみなさんも聞いたことがあると思います。
合唱は、東京藝術大学音楽部声楽科の学生が出演しています。

はじめて、「メサイア」を全曲聴きましたが、すごくドラマティックな曲ですね。大人数の合唱もすごくよかったです。約3時間のコンサートを堪能しました。

演奏会のパンフレットの中に、作曲家のヘンデルが「メサイア」を慈善活動のための曲としたという紹介がありました。

オラトリオ(聖譚曲)「メサイア(救世主)」は、作曲家のヘンデル(1685-1759年)が慈善のためだけに演奏し、営利目的で曲が使われることを嫌って、存命中は楽譜の出版を禁じたとまで伝えられた曲です。

そんな素晴らしい曲だとは知りませんでした。
Webで検索すると、こんな論文を発見しました。
非常に勉強になりました。

捨子養育院における芸術と慈善
──ヘンデルの〈メサイア〉慈善演奏会の背景
岩佐 愛

https://repository.musashi.ac.jp/dspace/bitstream/11149/876/1/jinbun2010no41_024.pdf

さて、今回のコンサートの収益は、経済的な後ろ盾のない児童養護施設や里親家庭出身の子どもたちの進学を支援する資金や、自立援助ホームなどで暮らす、虐待を受けるなどの過酷な環境を生きてきた若者たちの高校就学や資格取得を支援する資金、また、認知症の人への正しい理解を促進し地域福祉の輪を広げるための事業など、様々な社会福祉事業に活用されるそうです。
ちなみに、朝日新聞厚生文化事業団の決算書類を見ると、2022年度はチャリティ事業で約5900万円の収入があったようです。このコンサート以外にも、いろいろな活動があります。

会場ロビーでは、朝日新聞厚生文化事業団の展示もありました。
ただ、クラシックのチャリティーコンサートの定番では、演奏会の中ではチャリティに関する説明や案内は一切ありませんでした。
有料パンフレットには、チャリティのことが詳しく紹介されていました。

会場の東京藝術大学奏楽堂には、東京藝術大学の募金箱が設置されていました。

いやぁ、チャリティって本当にいいもんですね!

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