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【NPO書評】オリビア・ニュートン・ジョン自伝 信じることをやめないで

たぶん、自分よりもう少し上の世代がドンピシャな世代だと思います。
オーストラリア出身で、世界的なシンガーで俳優だったオリビア・ニュートン・ジョンさんの自伝です。
昨年2022月8日にお亡くなりなって、その訃報で偉大なファンドレイジング・スーパースターだったことを知りました。
日本語版の自伝は、亡くなる少し前に日本でようやく出版されたものです。
もともとは2020年頃に出版されたものです。

オリビア・ニュートン・ジョン自伝 信じることをやめないで
2022/5/18
オリビア・ニュートン・ジョン (著), 中川 泉 (翻訳)

彼女の訃報記事で、生まれ故郷のオーストラリアで「オリビア・ニュートン・ジョン・がん健康研究センター」を設立し、積極的にチャリティ活動に取り組んでいました。
オリビアさんがどういう経緯でチャリティ活動に取り組むようになったのかを詳しく知りたいと思い、読みました。
チャリティのことを除いて、有名人の自伝として、とても面白かったです。

チャリティについては、1992年にご自身が乳がんと診断され、闘病し、がんのサバイバーとなりました。その後も2013年、2017年とがんが再発し、都合3回、がんによる闘病を行い、2022年に乳がんが原因でお亡くなりになりました。
その中で、オーストラリアの病院から、彼女の名前を冠したがんに関する病院を設立したいという相談があり、病院建設となりました。その建設費用の一部や運営費のために彼女自身も積極的にコミットメントして、寄付集めを行っています。
病院建設の際に、彼女自身の闘病経験をもとに、患者にとって快適な施設にすることを第一優先にしてプロジェクトに取り組みました。そのエピソードの中で、最初は「「オリビア・ニュートン・ジョン・がん研究センター」という名称だったものを、がんの治療だけではなく、その後、健康な生活を送るための施設にしたいということから「健康」という言葉を入れて入れて「オリビア・ニュートン・ジョン・がん健康研究センター」にしたというエピソードがありました。とても大切な視点だと思いました。
NPOでも、こういったところの配慮やネーミングは大事ですね。
また、オリビアさんは2回目の闘病では、化学療法だけではなく伝統医療に基づく療法を受けていたということで、病院の研究も西洋医学だけではない、薬草などを使用した療法なども研究する機関としての役割を果たしています。
当事者の立場にたった関わりもとても大切な要素ですね。
ちなみに、このがん研究センター(病院)の他に、がんに関する治療などの研究を推進するための財団も立ち上げています。

ページ数が400ページ越えなので、ちょっと読むのに時間がかかりますが、オリビアさんの半生を知るのも面白く、また、がん健康研究センターの話などは福祉・医療系の拠点を持っているNPO的な視点としてとても参考になるので、気になった方はぜひご一読を。

とりあえず、本書を読んで、オリビアさんとジョン・トラボルタさんが共演した映画「グリース」を鑑賞しようと思いました。


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