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【NPO書評】未来ビジネス図解SX&SDGs 安藤 光展 (著)

いろいろ学ぶべきことがあります。
基本、NPO・ソーシャルセクターのことは押さえておき、さらにNPOと接点のある企業のCSRや社会貢献なども学ばなければと。
企業とソーシャルの領域の重なりは、SDGs、ESGと接点が多くなってきているので、押さえるべきことが結構な量になっています。
そんな中で最近気になっているのは「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」です。2020年から経済産業省が提言を始めたものです。DX(デジタル・トランスフォーメーション)の次に来るものですね。

SXの入門書として購入したのがこちらの本です。
ちなみに、以前より企業のCSRについて、山田の情報源として有益な情報をSNSやブログでいただいていた知り合いのCSRコンサルタントの安藤さんの新刊です。

未来ビジネス図解 SX&SDGs
2022/8/26
安藤 光展  (著)

SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)は、企業のサステナビリティ(持続可能性)と社会のサステナビリティ(持続可能性)を目指したものです。企業のサステナビリティといえば、会社を継続していくためには、稼ぐ力も大事です。その両立を目指していくものです。「X」(トランスフォーメーション=変革)には、掛け算の「X」の意味もありますね。足し算ではなく、企業と社会のサステナビリティをかけあわせていくことで大きな変革を目指していくことですね。

SXの前提として、企業にとっては、SDGs、ESGが大切です。本書は、10年以上に渡って企業のCSR領域から、SDGsやESG、サステナビリティについて、コンサルティングやコミュニケーション支援を行ってきた著者がSXの入門書として書かれたものです。
ですので、前提となるSDGsやESGの解説を踏まえた上でのSXの解説となっているところが、とてもわかりやすい内容になっています。SDGsやESGとの概念の違いや共通点、その発展型について整理をされているので、なるほどと納得のものでした。
本書を読んでいると、CSR、SDGs、ESG、SXが別々の概念ではなく、その経験が次の概念の下地になって発展しているということがよくわかります。また、CSRから連なる情報開示の流れによって、企業による良い事例がネットなどを通じて情報を入手でき、参考にできるのが、この動きをさらに加速させているということを感じました。

前半はSXなどの解説書ですが、後半はSXの実践書になっています。企業のいろいろな事例を研究したり、支援をされている安藤さんなので、上場企業のような大企業だけをメインにしたものではなく、中小企業の実践にも役立つ内容となっています。SXへの実践について、具体的なステップで解説されていますので、多くの企業のみなさんに役立つ本だと思います。
本書のタイトルにも入っている通り、ビジネスモデルや組織体制、コンセプトに関する図解入りで解説されているので、わかりみが増しています。読み終わった後にも内容を振り返るのにとても便利ですね。

ということで、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)が気になった方はぜひお薦めしたい本です。さらに、企業の最新の動向をチェックしたいNPO関係者も押さえておきたい一冊です。NPOを組織体と捉えた時に、NPOこそSXを進めていくことが必要だと思いました。この領域はもう少し研究していきたいですね。


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