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どう使う?マーケターが知りたい行動経済学のあれこれ

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マーケティングの大家、コトラー教授は「行動経済学はマーケティングの別称である」と言ってます。専門用語が多くてとっつきにく印象のある行動経済学の理論を取り上げてマーケティング施策へ…
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#ヒューリスティック

推し活でお金を使いたくなるワケは感情ヒューリスティックにあり?-行動経済学の理解と実践50

近所の雑貨屋で1個300円くらいで売られているマグカップ。 ところがそのマグカップに人気アイドルの顔写真とロゴをプリントすると価格が10倍に跳ね上がります。 ファンは、”推し活”と称して喜んでマグカップを買っていきます。そして、まだ使えるのに新しい写真のマグカップがあるとまた購入して部屋には使わないマグカップがいくつもあるという状態になります。 今回は、このような推し活の心理背景にある感情ヒューリスティックについて説明します。 感情ヒューリスティックとは? 感情ヒュ

代表性ヒューリスティックを理解してビジネスに応用しよう-行動経済学の理解と実践3

前回の記事で利用可能性ヒューリスティックについて説明しました(記事はこちら)。 今回は違うタイプのヒューリスティックについてです。それは、代表性ヒューリスティックと言います。 代表性ヒューリスティックとは、代表的なものを見て、全体も同様であると結論づけてしまうことを言います。例えば、人種や国籍、血液型などで、一人ひとりの人格まで結論づけてしまうようなことは代表性ヒューリスティックの一例です。 別に、これは全て間違っているということではありません。日本人には日本人の国民性

利用可能性ヒューリスティックについて理解しよう-行動経済学の理解と実践法2

スーパーで買い物をしているときに、このブランドを買うって決めてなくてもテレビCMとかで見たことがある商品を選んでしまう、という経験をしたことがある人も多いと思います。 記憶にあるものを信用して選択することを利用可能性ヒューリスティックといいます。 ヒューリスティックとは、意思決定をする際に直感や経験則で判断することです。反対語は、システマチックです。 ヒューリスティックな意思決定をしていると、限られた情報でバイアス(偏見)がかかり、間違った意思決定をしてしまうということ