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17.機械と人間の奏でる音楽 = Wintergatan

Wintergatanはスウェーデン、イェーテボリで2013年にデビューしたバンドです。前身はDetektivbyrån(ディテクティヴビィロン=探偵事務所)というフォーク・エレクトロニカバンドで、当時から幻想的な音楽を奏でていました。Wintergatan(天の川の意味)では楽器から自作するようになり、これ以外にもオリジナルの楽器を作って演奏しています。こちらのMarble(ビー玉) Machineは14ヶ月の製作期間を経て作られたオリジナル楽器です。自動演奏の機械は、古くはオルゴールや自動ピアノであり、最近ではシンセサイザーが大きな発展を遂げてほぼどのような音でも自動演奏できるようになっていますが、人間と機械が共にプレイするという感覚を抽出して研ぎ澄ます面白い試みだと思います。

Wintergatanからもう1曲ご紹介しましょう。

こちらでも自作楽器が出てきますが、どこか手作り感のある温かみのある幻想的な音楽を奏でています。

機械と人間のコラボ・セッションをほかにも紹介しましょう。

Nigel Stanfordはニューヨークで活動するエレクトロニカアーティストで、こちらは2017年の作品。この人は他にも面白い取り組みをしており、物質の反応を用いて音の視覚化に挑戦したこちらの曲も面白い出来です。

キャリアの長いジャズ・ギタリストであるPat MethenyもOrchestrionという楽器(装置)で機械との共演を果たしています。Patはこちらの装置と共に世界ツアーと来日を行いました。

普段人がしている動きを機械が模倣する、(機械的合成音ではなく)物理的な演奏を機械が行うのは演奏という行為を抽象化し、新しい感覚を呼び起こします。アイデアを壮大なスケールで実現してしまう突破力に驚くアーティストばかりでしたが、最後は微笑ましいチョコレート・ミュージックでお別れしましょう。


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