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Xデザイン学校2022年度校外研修旅行(京都)の事前準備のリフレクション

はじめに

2022年11月3日(木)、文化の日。今日は「Xデザイン学校校外研修旅行(京都)フィールドワークとKA法」の事前講義「はじめてのフィールドワーク&KA法」を受講した。
講座の冒頭はフィールドワークなどのリサーチに関する座学で、中盤以降はKA法をグループワークを通じて学んだ。
忘れないうちにリフレクションを書き残しておく。

UXリサーチの手法を知る・正しく使う・使い分ける

今日はKA法を中心に、いくつかのUXリサーチ手法を教わった。ベーシックコースでもいくつかのUXリサーチ手法を教わっているので、UXリサーチ手法の種類については、一応知っていると言えそうな気がしてきた。その上で今日の講義を聞いていて感じたことは、手法を正しく使うことの大切さだ。
具体的なエピソードを述べる。今日のKA法の演習で価値マップを作成する際、自分たちのグループでは、大項目でのラベルの括り方が単なるカテゴリ整理になってしまわないよう、またインタビュイーの価値観の変化を捉えられるよう、いったん時系列でカードを整理しようという話になった。
その直後のグループワークの進捗確認およびフィードバックのタイミングで、講師の松薗さんから、時系列以外の方法で整理するようアドバイスをいただいた。
そこで方向転換して、時系列以外の方法でカードを整理することにした。結果として、グループとして腹落ちするおもしろい切り口で情報を整理することができた。
ただ、なぜ時系列以外の方法で整理した方がいいのかがうまく言語化できなかったので、講座の最後に松薗さんに質問をさせていただいた。
松薗さんの回答の中に、時系列で並べるならカスタマージャーニーでもいいというお話と、KA法の中で時系列で整理しても、それは中間成果物でしかなく、最終成果として価値を整理するときには、時系列の形ではなくなるはずというお話があった。
この回答はすごく腹落ちして、つまりUXリサーチの手法を正しく理解して使わないと、インサイトを得られないのではなく、インサイトを得るために時間がかかってしまったり、得られるインサイトの質が下がってしまうのだと感じた。(そう言う意味だと、あのまま時系列で整理していたら、最後の最後になって「これカスタマージャーニーと何が違うの?むしろカスタマージャーニーの方が気持ちの浮き沈みがわかりやすくいて良かったんじゃない?」みたいな事態に陥っていたのかもしれない。)
今は教わったUXリサーチ手法が自分の中に点としてポツポツある状態だが、どんどん実践して正しい使い方を理解することで点と点をリンクさせ、最終的にはその状況に応じて適切なUXリサーチ手法を使い分けられるようになれると良い。

KA法とアジャイル開発

KA法には分析の過程をさかのぼれるという特徴があるので、複数人でフィードバックをしながらの分析がしやすいという話があった。また手を動かしながら試行錯誤できるという特徴もあるので、リサーチャが取ってきたインタビューデータを、ワークショップ形式でリサーチの初心者(例:エンジニア)と一緒に分析するような使い方もできるという話があった。さらにKA法の共通理解を育みやすいという特徴を踏まえると、探索のリサーチと検証のリサーチでいうと後者でより効果がある手法という話もあった。
以上のことを聞いて、KA法はアジャイル開発とかなり相性が良さそうだと思った。スクラムマスターとしては是非KA法をマスターして、自分でワークショップを開催できるようになりたい。
KA法について教わった際に印象的だった言葉は以下の通り。

  • 出来事から価値に一気にいくこともできるが、心の声で助走をつけるイメージ。心の声から価値にいくときに抽象化が起こる

  • ラベル付けがただのカテゴリ整理になってはいけない。抽象化する

  • 価値が一人歩きしても、わかるような内容だと良い。例えば「京都らしさ」だと、解釈の余地がある

  • 一つの出来事に対して、発言した方の価値、発言を受けた方の価値として2つのカードを作るのも良い

  • 今の段階で享受できていない価値は、「未充足」として抽出すると良い

  • 「なぜそれを価値と言えるのですか?」をチーム内で問いかけ合えると良い

  • 中項目を細かめにすると、大項目は自然と出てくる(出てこないということは、中項目が大きすぎるかもしれない)

  • 早めに中項目をつけて「これとこれはやっぱり違うね」を話し合うと良い

価値と価値観

中項目や大項目を作っている際に「あれ、今自分は何をしてるんだっけ?インタビュイーの価値観を想像してるんだっけ?それでいいんだっけ?そもそも価値と価値観て何が違うんだっけ?」とひとりで混乱した瞬間があった。
思うに、KAカードを中項目、大項目と抽象化していくことは、それはやっぱりインタビュイーの価値観に近づいていくことなのではないか。ただいきなり価値観と呼べるくらいまで抽象的なものを出してしまうと、その過程が示されないので、共通理解ができず、チームで先に進むことはできなくなってしまう。そう考えると混乱した時の自分は「なぜ自分はインタビュイーの価値観を想像しているような気持ちになっているのか?」を自分自身に問いかけ、頭の中で一気に抽象化させてしまったものを解くようなステップが必要だったのかな、と思う。ここはまだうまく理解ができていないが、次KA法を実践する際には、気をつけたい。

さいごに

KA法を予習せずに講座に臨んだが、松薗さんのわかりやすい説明のおかげで、KA法完全に理解した状態になった。ここからフィールドワークを通して「うげー全然わかってなかったじゃん」となれるのが楽しみ。

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