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福岡旅行のリフレクション


はじめに

2024年7月12日(金)〜16日(火)の日程で福岡に行って、以下の通り楽しんできた。

この記事では福岡旅行で見たこと、感じたこと、考えたことを時系列でつらつらと書く。

7/12(金)

ごまさばを通して韓国を思い出した

7/12(金) 15:30頃に天神のカプセルホテルに荷物を置いてから「魚忠」というお店で焼き魚定食を食べた。

焼き魚定食。右上がごまさば

この時セットでついてきた「ごまさば」を見て、強烈に春の韓国旅行のことを思い出していた。なぜかというと、私は刺身に醤油以外のものをかける文化を知らなかったのだが、韓国で醤油以外の甘めの液体や辛めの液体、青唐辛子などいくつか味付けのバリエーションを経験した直後だったからだ。

韓国の魚メインの居酒屋。ビールが注がれているグラス手前が甘めの液体

ビールが注がれているグラスの手前が甘めの液体で、ごまさばは私にこの液体を思い出させた。韓国で食べた甘めの液体をつけたフェ(刺身)も、ごまさばもそれぞれおいしかったが、味は違っていたと思う。ただそれでも、福岡での刺身に醤油以外の液体をかける体験は、韓国での経験を思い起こさせた。
そしてちょっと考えた。ごまさばが福岡に定着しているのは、もしかして刺身を醤油以外の液体につけて食べる文化を持った韓国が近くにあったからではないか?と。直前にカプセルホテルで話しかけてきたイリノイからの旅行者が、韓国からフェリーで福岡に来たと言っていたことや、自分自身も春の韓国旅行はフェリーで行っていたこともあり、福岡や下関と韓国って、東京に比べると距離的にはもちろん、心理的、文化的に近いのではないかと思っていたことも、この仮説が浮かんだ一因だとは思う。実際のところどうかはわからないが、ここ最近の体験を通して、こういった仮説が浮かんだ自分に驚くとともに、うれしくなった。

RESEARCH Conference Pop-up in FUKUOKA

会の全体を通して、「沢」や「情報じゃなくて体験」というメッセージが伝わってくる素晴らしい会だった。
トップバッターはヤマップの土岐さん。土岐さんの発表は、土岐さんがリサーチを通して少しずつ気づいて言語化してくれたものを、参加者に丁寧にお裾分けしてくれるような内容で、最高だった。そしてとにかく土岐さんのワードセンスやメタファが絶妙で、未だ言語化されていないあるあるを言語化する名人だと思った。
二番手はUPSIDERの森さん。UPSIDERの事業内容はこの登壇で初めて知ったのだが、生成AIを用いてユーザの具体的なペインを解消していて、すごいと思った。森さんとは懇親会でもお話しさせていただいて、普段の働き方からして魅力的な方だと思った。後述するが、福岡にいる間「価値」についてぼんやり考える時間が多くて、それは森さんとお話しさせてもらった影響も多分にあると思う。
ラストはヌーラボの橋本さん。私は普段アジャイル開発をしているので、backlogというプロダクトはもちろん知っていたが、橋本さんの人柄やヌーラボがユーザーコミュニティを大切にしていること、福岡のITコミュニティでのユーザーテストを経てbacklogをリリースしていたことは知らなかったので、とにかく発表に引き込まれた。すごかった。

7/13(土)

RESEARCH CAMP in ONGA 1日目
遠賀町の皆さんと同じ方向を向いたフィールドワーク

今回のイベントでは、町の有休不動産となっている合宿所の活用方法を模索すべく、町の皆さんと一緒に車に乗って、遠賀町のあちらこちらを見て回った。
感覚としては町の方と向かい合ってお話を伺うのではなく、町の方と同じ方向を向いてお話を伺う感覚で、それがとにかく新鮮で楽しかった。
また移動の車内でも町の皆さんからお話を伺うことができたので、"移動時間"という感覚はなく、一日中フィールドワークの感覚だった。

同じ方向を向いてフィールドワークをする
情報じゃなくて体験。レガッタ練習マシンの体験もする

7/14(日)

RESEARCH CAMP in ONGA 2日目
みんなでやることが正義なのか

自分たちのグループは、町の有休不動産の活用提案の軸を「町の人みんなで作り上げる」ことに据えて発表した。そうしたところ「みんなでやることが苦手なので、勝手にやることが多い」というコメントをいただいた。ペアワークやモブワークを推奨するアジャイルを推進することを生業としている自分としては、「みんなでやることが良しとされるシーンが多いからと言って、安易にその方向性の提案をしていないか?」と問われているような気がして、このコメントにはハッとさせられた。
みんなでやった方が従来に比べてうまく行くのはソフトウェア業界に限った話で、他の素材を扱う業界でも、本当に同じだと言えるのか?と言われたら、全く自信がない。またこのコメントをもらったことで、映画監督をしていた叔父が、監督だからと言って一本の映画を思い通りに作られるわけではないという話をしていたことを思い出した。
今の自分の浅い理解では、この叔父に「みんなでやる」という提案はできないと感じるので、この辺りは今後も考え続けたい。

7/15(月)

誰もいない天地下を通って早朝に土砂降りのなか山笠を見て高まったり、昼頃足が攣って目を覚ましたり、キース・ヘリング展で絵を見て、「あ!この絵、終の退魔師の第一話の、主人公が師匠にぺちゃんこにされるタイトルシーンにめっちゃ似てる!」という誰とも共感できない感想を抱いたり、活イカを食べたり、ウエストを食べたりした。

終の退魔師の第一話に似てると思う絵。世界中の誰か一人でもいいから伝わってほしいっ!

7/16(土)

真昼の金縛りにあっていないか

太宰府天満宮に行った。本殿が改修工事中で仮殿になっていたが、仮殿は仮殿ですごいインパクトだった。

わ〜庭付きの屋根だ〜

太宰府天満宮から竈門神社に歩きながら、福岡旅行のことを思い出していた。
今回の福岡旅行で色々な経験をして、視覚以外の感覚(例えば湿気とか匂い、肌触りといったもの)に対して、自分があまりに無意識だったことに気づかされた。スクラムマスターは観察が大事なので、目の前のものを意識的に捉えるようにはしていた。でも、視覚以外の感覚も含めての観察というところは、全く意識できていなかった。まるで、頭は起きているのに体は寝ているという金縛りに、真っ昼間にかかってしまっていたんじゃないかと思うほどだった。
この辺りは特に、RESEARCH CAMPの参加者の方々と意見交換をする中で、気づくことが多かった。例えば遠賀川駅に到着した時、自分は会場となるあまねやが駅のどちらにあるかをスマホで調べたり、のちのちのために駅の写真を取らなくちゃ!ということを考えていたが、他の参加者の方々は、遠賀町の湿気や匂いといったものを感じてからあまねやに来たとおっしゃっていた。皆さんの話を聞いて、俺の五感どこいった!と焦ったのを覚えている。

真昼の金縛りにあってる人とそうでない人。キース・ヘリングを真似したかったんです。。。

価値と価値観て何が違うのか?

プロダクト開発だと開発項目を価値に従って優先順位付するけど、価値ってなんだろう?ということや、価値と価値観は何が違うのか?ということも考えながら歩いた。
今なんとなく思っているのは、個人は価値観を持っていて、価値観が近い人で集団を作る。そうすると色々な価値観の個人、集団が世界には存在することになるが、価値あるものというのは、異なる価値観の人々にとってみても、価値があると認められるものなのかなと思った。そう考えると、PdMやPOが価値に基づいて判断をするためには、様々な価値観の人、集団に接して、そういった人にとっても価値を感じられるものは何かを考える必要があるのかな?などと、ぼんやりと考えた。プロダクト開発をしていてしょっちゅう口にするけど、改めて考えると、価値ってなんなんだか難しい。

価値と価値観。色が近い人は価値観が近いことを示したつもりだけどわかりづらい

おわりに

皆さんと駆け抜けた福岡市でのRESEARCH Conference Pop-up in FUKUOKAからの遠賀町でのRESEARCH CAMP in ONGAの日々も楽しかったし、最後の一日太宰府をゆっくり歩きながら考え事ができたのも最高だった。
こんなに長い間楽しく滞在できたのは、関わってくださった皆さんがいたからこそだと思うので、福岡旅行中に関わってくださった皆さんに感謝したい。
今後は家族も連れていきたい!

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