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AIと人類の未来 - アップロードされた意識と人種間の問題

近年、人工知能(AI)と人間の意識のアップロードに関心が高まっている。この技術が実現すれば、私たちは肉体の制約から解放され、デジタル世界で永遠に生き続けることができるかもしれない。しかし、この技術がもたらす問題や懸念も無視できない。本稿では、アップロードされた意識と人種間の問題について議論する。

まず、意識アップロードの技術的側面について検討する。Electron imaging technology for whole brain neural circuit mapping [2]の論文では、現在の技術が人間の意識をコンピュータにアップロードすることができるかどうかを調査している。FIBSEM技術は、人間のコネクトーム(神経回路図)を抽出するために必要な解像度をすでに満たしていると結論付けている。しかし、この技術を実現するためには、大量のイメージング機器を用いて神経回路図を抽出する必要があり、現状では実現が困難である。

次に、意識アップロードがもたらす哲学的・宗教的問題を考察する。MIND UPLOADING AND EMBODIED COGNITION: A THEOLOGICAL RESPONSE [3]の論文では、意識アップロードという概念が、伝統的な心身二元論に挑戦する「ハイブリッド」な存在を提案している。この論文は、意識アップロードと非物質的AIが、宗教的終末論と同じようなカテゴリに分類されることを指摘している。神学者は、技術の将来に関する議論で批判的または慎重な役割を果たすことが多いが、技術的対話相手から学ぶこともある。

さらに、意識アップロードと人種問題について考える。WHITE CRISIS AND/AS EXISTENTIAL RISK, OR THE ENTANGLED APOCALYPTICISM OF ARTIFICIAL INTELLIGENCE [1]の論文では、AIと人種・宗教の関係について議論している。著者は、アポカリプティックAI(終末論的AI)が「白人危機」と関連しており、白人の支配を維持するための戦略として理解されるべきであると主張している。また、この主張は、「アルゴリズム的人種差別」という枠組みを通じて説明できるとしている。

最後に、意識アップロード技術が現実のものとなった場合、人類にとってどのような影響があるのかを考察する。Human, super-human, anti-human: The posthuman deep future in evolutionary science fiction [4]の論文では、遠い未来のビジョンを描くことで、現代の議論を癒すことができると主張している。また、人類の生存に対するリスクに対処するためには、技術的な進歩が不可欠であるとしている。

以上の議論から、意識アップロード技術は、さまざまな問題や懸念を引き起こす可能性があることがわかる。技術的な課題が克服されたとしても、哲学的・宗教的問題や人種間の問題が解決されなければ、この技術が人類にとって真の進歩をもたらすことはないだろう。

参考文献:
[1] “WHITE CRISIS” AND/AS “EXISTENTIAL RISK,” OR THE ENTANGLED APOCALYPTICISM OF ARTIFICIAL INTELLIGENCE
[2] Electron imaging technology for whole brain neural circuit mapping
[3] MIND UPLOADING AND EMBODIED COGNITION: A THEOLOGICAL RESPONSE
[4] Human, super-human, anti-human: The posthuman deep future in evolutionary science fiction

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