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【教員発信】 安田女子高校STEAMコース~IBL 生徒企画:読書ワークショップ実施~

 安田女子高校STEAMコースは、2021年4月に新設されたコースです。
 コースの特徴の一つが、「IBL(Interest Based Learning)」という授業で、自分の興味関心に応じて自分で目標を設定し学びを進めます。
 今回は、IBLで生徒と一緒に企画・運営した『本から紡ぐ自分らしさ』というワークショップの様子を報告します。


◎『本から紡ぐ自分らしさ』

 このワークショップは、本や他者との交流を通して、他者との違い、つまり「自分らしさ」に気づけるといいなという思いからスタートしました。

 私はこれまでの教師生活で面接などの指導を通して、生徒が自分の良いところを挙げることができないという場面に何度も出会いました。そのような経験から、自分の個性や良いところは、自分にとって当たり前だから気づきにくいのではないかと考えるようになりました。これからの生徒の人生において、自分の個性そして他者との違いに気づいて、互いに尊重しあって生活できるようになるといいなという想いを込めています。

 ワークショップは3回シリーズで、生徒(高3の1名と高2の3名)と一緒に企画・運営しており、1回目を6月7日(水)に実施し、2回目を6月28日(水)に実施しました。(3回目は7月21日(金)に実施予定)


◎講師(ファシリテーター)の紹介

 講師(ファシリテーター)として、本の教室ルーペのあやさんにご協力いただいています。あやさんは、本を使って、読書ワークショップをおこなっていらっしゃいます。また、ミナガルテン1階の[ mina books(ミナ ブックス)](本棚の一区画ごとに棚オーナーを募集し、みんなで共同運営するという新しいカタチのシェア型本屋)にも参加していらっしゃいます。

講師のあやさん(左)と企画委員

◎ワークショップ1回目

 6月7日(水)に1回目のワークショップを実施しました。テーマは「好き」で、自分の好きな本・雑誌などを1冊持ってきて、そこからキーワードを拾って、自分の「好き」を深掘りしていきました。

 その後、グループでシェアトークをしました。興味深かったのが、シェアトークの後におこなった本人を目の前にした「勝手なポジティブ噂話」。本人を目の前にして噂話をするという、不思議な雰囲気の取組でした。される側はちょっと恥ずかしい気持ちですが、する側はなんとも言えない不思議な気持ちでちょっとテンションが高くなる感じでした。

 全体を通しての印象は、ワークシートを使いながらの活動で、シェアトークなどのコミュニケーションも多く、生徒も集中していてあっという間に時間が経ってしまったという感じでした。

1回目のワークショップの様子

 実施後のアンケートでも、満足度が平均8.5点(10点満点)という、非常によい結果となっていました!!

【以下、アンケートから抜粋】
♪♪♪♪♪ どんな変化がありましたか? ♪♪♪♪♪
・色んな人の価値観を知る事ができた。
・自分でも気づいていなかった自分の成長を感じることができました。
・自分に合う本を知りたいと思うようになりました。
♪♪♪♪♪ 感想 ♪♪♪♪♪ 
・みんな持ってきた本のジャンルが違って面白かったです。
・もともと本が大好きでたくさん読んでいたので選ぶのが楽しかったけれど、大変でした。 有意義な時間をありがとうございました。
・最近本をあまり読んでなかったので、久しぶりに読もうかなと思いました。


◎ワークショップ2回目

 2回目のワークショップは、6月28日(水)に実施しました。テーマは「進路」で、自分の【憧れ・ワクワク】に関する本・雑誌などを1冊持ってきて、そこからキーワードを拾い、ビジョン思考やよい問いを立てることで、自分の枠を広げるワークをおこないました。

 今回のワークショップのキーワードは、【ビジョン思考】と【問い立て】。
 【ビジョン思考】では妄想を駆動力にし、そしてその妄想・理想から【バックキャスティング】(逆算)して、自分の枠(思い込み)を超えようというメッセージをあやさんからいただきました。
 また、「【問い】とは「問う側も問われる側も答えを知らない」もの。いい問いを持つことで、ものの見方が変わり、いい答えが導かれる。」と教わりました。

 さらに、自分の未来や妄想をストーリー仕立てで、しかも絵を使って表現するというのが、一番のポイントでした。絵が苦手な人も、「棒人間でもいいよ」というファシリテーターのあやさんの声かけでがんばって描いていました。

2回目のワークショップの様子

 2回目も、アンケート結果で満足度が平均8.5点(10点満点)でした! 生徒の記述も抜粋してご紹介します。

♪♪♪♪♪ どんな変化がありましたか? ♪♪♪♪♪
・自分の足りないところを見つけた
・人の妄想ほど面白いことはないこと(がわかった)
・到底叶わない夢でも想像する事が大切だとわかった
♪♪♪♪♪ 感想 ♪♪♪♪♪ 
・もしも3億円あったらというお題を通して、好きなことや将来について深めることができた。
・人の妄想がこんなに面白いものだということを初めて知った。自分の中で完結されていた自分の妄想をより広げる事ができた。本当に楽しかった。
・妄想トークでは、自分が想像もしなかった妄想がたくさん出てきて聞くのが面白かった。
・3回目の授業も楽しみにしてます!!


■ 執筆者:安田女子高校STEAMコース主任(3年目)
教員歴24年(理科と情報、専門は物理)。
趣味は読書、好きなことは謎解き、好きな食べ物は粒あんです。
大学・大学院時代は、赤外線天文学を専攻、できたてほやほやのすばる望遠鏡を使わせてもらいながら褐色矮星について研究していました。
未知の人と関わるときは尻込みするタイプですが、STEAMと関わり始めた2年前から一念発起して、いろいろな人と関わろうと努力しています。

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