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MotoGP2024 第3戦アメリカズGP

3戦目はサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(通称COTA)。

MotoGPクラス予選では、前戦自身初のスプリント優勝を果たしたビニャーレス(アプリリアレーシング)がここでも絶好調!従来のレコードタイムを0.5秒更新、前人未到の2分0秒台(2分0秒864)を記録してポールポジションを獲得。完全に復調したというか、アプリリアのマシンへのアジャストが完了したといってもいいのではないでしょうか。そして2番手にはこちらも最高峰クラス3戦目にして完全にGPクラスに適応したか、神童アコスタ(ガスガステック3)が初フロントローを獲得。3番手には、COTAといえばこのお方、かつて当地で7年連続優勝を達成しているマルク・マルケス(グレシーニドゥカティ)が入りました。

バンピーな路面に加え年間スケジュールの中でも数少ない左回りのサーキットであるCOTAでの土曜スプリント。制したのは前戦に続きスプリント連勝のビニャーレス。好スタートから終始トップをキープ、わずか10周のレースながら最終的に後続に2.2秒の差をつけての圧逃劇でした。

興味深かったのは、アコスタ(19歳)・マルティン(プラマックドゥカティ・26歳)・マルク(31歳)の世代別スペイン人ライダー3人による熾烈な2位争いでした。
安定して周回を重ねるマルク、恐ろしいことにマルクのペースに全く遅れをとらず真後ろにピタリとつけ続けるアコスタ、言わずと知れたアグレッシブライディングで2人の隙を伺うマルティン、各々の意地を感じられる激しいバトルが続き、最終的にもはやCOTAが庭のようになっているマルクが2位、アコスタを仕留めたマルティンが3位に入りアコスタが4位、ビニャーレスのチームメイトで今シーズン最年長のアレイシ・エスパルガロ(アプリリアレーシング・35歳)が5位と、スペイン勢がトップ5を占めることとなりました。

MotoGP 第3戦アメリカズ スプリント決勝
応援選手🔥
優勝 マーベリック・ビニャーレス🇪🇸(アプリリアレーシング)
注目選手🏍
2位 マルク・マルケス🇪🇸(グレシーニドゥカティ)
3位 ホルヘ・マルティン🇪🇸(プラマックドゥカティ)

Moto3
日本人勢は予選から揃って下位に沈み、9番手スタートの古里選手が好スタートから表彰台争いに絡むも3周目5番手走行中にコーナーで前の選手と接触があり転倒、山中選手も一時2番手を走るなど終始表彰台争いに絡むも最後は2位争いに競り負け4位でのフィニッシュと非常に惜しい結果となりました。2番手を走行中だったベイヤー(ハスクバーナインタクトGP)もラスト4周のタイミングでハイサイド転倒。スタート直後の1周目から接触転倒が相次ぐサバイバルレースでしたが、優勝は絶好のスタートから後続に6秒以上をつけ逃げ切ったアロンソ(CFモトアスパー)。2位は3戦連続表彰台のオルガド(ガスガステック3)。

そしてなにより3位にはこちらも終始表彰台圏内を走り続け、何度もオルガドや山中と抜きつ抜かれつの名勝負を演じるなど素晴らしい走りを見せたスーパールーキーのアンヘル・ピケラス(レオパードレーシング・17歳)が入りました。現在Moto3の最低年齢規定は18歳ですが、ピケラスは去年Moto3スペイン選手権(CEV Moto3)とレッドブルルーキーズカップのダブルタイトルを獲得し、特例で17歳ながら今年からフル参戦を開始。そして今回デビュー3戦目にしての表彰台、本当に恐ろしい若手がまた出てきましたね。今回のピケラスの表彰台で改めて感じますが、レオパードは本当に速い若手揃えてきますね〜毎年。

僅か17歳5ヶ月での表彰台獲得となったピケラス
レオパードカラーに黄色の36番は、2017年にMoto3
チャンピオンを獲得したジョアン・ミルを彷彿とさせますね


Moto3 第3戦アメリカズ 決勝
優勝 ダビド・アロンソ🇨🇴(CFモトアスパー)
2位 ダニエル・オルガド🇪🇸(ガスガステック3)
3位 アンヘル・ピケラス🇪🇸(レオパードレーシング)
注目選手🏍
DNF コリン・ベイヤー🇳🇱(ハスクバーナインタクトGP)
応援選手🔥
DNF 古里太陽🇯🇵(ホンダチームアジア)

Moto2
ポールポジションは前戦悲願の初優勝を果たしたカネット。小椋選手は17番手スタートながらさすがのリカバリーで7位でのフィニッシュ、ポイントロスを最小限に抑えました。優勝はスタートから逃げたガルシア(MTヘルメッツMSI)が初優勝。2022年Moto3クラスではゲバラに屈し惜しくも年間チャンピオンを逃したものの、昨年のMoto2昇格からは常にゲバラを凌ぐポジションでレースをしてきており、早くも2年目にして初優勝。今後もコンスタントに表彰台争いに顔を出してきそうな気がします。2位には地元で嬉しい表彰台、そして2戦連続の表彰台獲得となったロバーツ(アメリカンレーシング)。残り4周時点でコースオフがあるなどヒヤッとした場面はありましたが、過去のロバーツになかった各ラウンド毎にその時できる最大限の成績でフィニッシュする安定感のようなものが見られはじめたので、今シーズンはおよそ2年ぶりの優勝も見られるかもしれません。母国仕様のカラーリングのバイクがカッコよかったですねぇ。3位にはフォッジャ(イタルトランス)やチームメイトのロペス(スピードアップ)などとの表彰台争いに競り勝ったアルデゲル(スピードアップ)が入りました。

Moto2 第3戦アメリカズ 決勝
優勝 セルジオ・ガルシア🇪🇸(MTヘルメッツMSI)
2位 ジョー・ロバーツ🇺🇸(アメリカンレーシング)
3位 フェルミン・アルデゲル🇪🇸(スピードアップ)
注目&応援選手🏍🔥
7位 小椋藍🇯🇵(MTヘルメッツMSI)

MotoGP
スプリントでのパフォーマンスから決勝でも再び逃げ切りの再現なるかと思われたビニャーレスですが、スタート直後の1コーナーで大きく弾き出されて11番手まで後退。それを尻目に序盤はアコスタがトップを快走し直後にマルティン、マルクがつけるスプリント上位勢のメンバーとバニャイア(レノボドゥカティ)4台で前を争う展開に。しかし今回のビニャーレスは冷静そのもので、6周もすれば先頭争いに戻ってきましたね。一時バニャイアとのバトル中コーナーで膨らんで仕切り直しとなるも、じっくりじっくり気を伺っているのが感じられる落ち着いた走りを疲労。残り9周時点でトップに立っていたマルクもフロントを失い惜しい転倒で戦線離脱。波乱の隙に前に出たビニャーレスとアコスタが抜きつ抜かれつの接戦を繰り広げ、ついに残り8周時点の11コーナーでビニャーレスが先頭に戻ってきました!アコスタのリアオンボードを見ても、コーナリングに分があるのか連続コーナーでぐんぐん近づいてくるビニャーレスの姿が印象的でした。アコスタを抜いてからは一定の差を保ちながら逃げたビニャーレス、そのままチェッカーでアプリリア移籍後メインレース初優勝!

今週末のビニャーレスは、予選1位・スプリントレースで優勝&ファステストラップ記録・決勝優勝&ファステストラップ記録と完璧なレース!
そしてなにより、今回の優勝で自信通算10勝目、2002年のMotoGPクラス発足以降史上初の「異なる3メーカーマシンでの優勝」達成者となりました。

スズキ・GSX-RRで2016年イギリスGP、
ヤマハ・YZR-M1で2017年のカタールGP(を含む8勝)、
アプリリア・RS-GPで2024年アメリカズGPを優勝

YouTubeのMotoGP公式にもレース終了後の舞台裏の動画があがってますが、約3年ぶりの優勝に感極まっている姿には本当に感動しました😭

そして2位にはこちらも快進撃が止まらないアコスタ。前戦の3位に続き、今回の2位獲得により史上最年少連続表彰台記録を更新(19歳325日)。レース内容も、スタートから前につけて、周りの転倒などは避けつつも激しいパッシングを仕掛けるなどポジションをキープしての2位なので、今シーズン中に優勝してもなんらおかしくない適応ぶりでした。3位には、レース後半中断から猛烈に追い上げたバスティアニーニがドゥカティファクトリーの面子を保つ3位に滑り込みました。

MotoGP 第3戦アメリカズ 決勝
応援選手🔥
優勝 マーベリック・ビニャーレス🇪🇸(アプリリアレーシング)
注目選手🏍
2位 ペドロ・アコスタ🇪🇸(ガスガステック3)
3位 エネア・バスティアニーニ🇮🇹(レノボドゥカティ)

次戦はスペインGP。ビニャーレスの快進撃が止まらないのか、アコスタの昇格後・マルクの移籍後初優勝が見られるのか伝統のヘレスでの激しいバトルに注目です!

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