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「心の小箱」(50)

「心の中に小さくてきれいな小箱を思い浮かべてください。不安な感情をその小箱に大事にしまって、かわいいリボンをかけて、しばらくの間、心の片隅にでもそっと置いておきましょう」そんな風に心療内科の先生に言われましたと、患者さんが私に教えてくれたことがあります。

不安でも怒りでも、感情というものは、ある程度は時間とともに薄れていくものです。だから、いつも不安で取り乱してしまうとか、怒りを爆発させてトラブルになるという人にとっては、感情が薄れるまで何とか自分の中で持ちこたえさせることがひとつの課題になります。

自分の感情を否定して排除したり無視するのではなく、コントロールできそうになるまで大切にしまっておく。自分の感情を決してないがしろにしない。それを “小箱にリボンをかけてしまっておく” と優しく絵的に表現していて、いつも理詰めで話をしがちな私は、とても素敵で上手な説明だと思いました。

文章:精神科やすだ (2007年2月19日初公開)
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