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理由を尋ねない(30)

理由を尋ねる質問は相手を非難しているように聞こえやすいので注意すべきということを前に書きました。考えてみれば、理由を尋ねる時というのは「どうして遅刻したんだ」というように上の立場から相手を責めるような状況が多いわけです。責めるつもりがなくても「どうして」とは問わないほうが無難ですし、責める気持ちがあるときは、なおさら言い方に気をつけたほうがよいでしょう。

例えば、「どうしてこの検査をオーダーしたの?」と指導医に何気なく聞かれて、つい反射的に謝ってしまったなどという経験はないでしょうか。理由が知りたいならば「検査をオーダーした時の患者さんの状態はどうだった?」と聞いてもいいでしょう。間違いを指摘したいならば「この検査は要らなかったと思うんだけど、どう思う?」と素直に聞いた方が、相手の抵抗感や反感を呼び起こしにくいと思います。

自分が強い立場にいる場合は、常に意識しておくとよいと思います。

文章:精神科やすだ (2006年10月4日初公開)
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