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言葉のニュアンス(60)

患者さんにかける言葉は,なかなかマニュアル通りにいきません。

例えば「治療意欲がない人には治療はできません」という文章は、これだけでは文字通りの意味しか持ちませんが、どのような文脈で話すかによって、そこに込められるニュアンスは大きく変わってきます。

本来は「だから、ぜひ治療意欲を持ってほしいのです」と、相手を励ます意図をこめて話すべきところを、言い方を間違えば「だから、あなたには治療なんてできません」と、相手を拒否するような全く逆の意味になってしまいます。

同じ内容のことであっても、言い方ひとつで話がこじれたり、まとまったりします。自分の使った言葉のひとつひとつが相手にはどう伝わるのか、もしくは自分の思考や感情をどのように言葉に乗せていくか、そういったことを意識することが大切なのだろうと思います。

文章:精神科やすだ (2007年7月18日初公開)
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