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言い換える(51)

あらたまって誰かを褒めるというのは意外に難しいものですが、では、こんなやり取りはいかがでしょう。例えば「毎日10分しか散歩していないのです」という人に、「10分でも毎日しているとはたいしたものですね」と返してみる、といったものです。

これは事実の単なる言い換えに過ぎないのですが、受ける印象が少し変わります。認知療法では、事実の解釈(認知)を変化させることによって受け取る人の感情や行動も変わると考えます。

どのようなことにも良い面と悪い面の両面があるものです。新たな事実を見つけ出すのではなく、目の前の事実のどの面に光を当てるかを考えるのです。

こういった言い換えはさりげなく会話に織り込むこともできます。また普段からこのような言い換えが出来ないかを考える癖を付けておくと、ちょっとした頭の体操になり、さらに自分自身への認知療法にもなって、とてもお得です。

文章:精神科やすだ (2007年2月26日初公開)
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●このマガジンは私が以前に発行していたメルマガの復刻版です
●初公開時はまだ「認知行動療法」という言い方は一般的でなかったようですね
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