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精神科医と“話を聞くこと”2(43)

「話を聞かないことも見識」ということを書きました。とは言ってもやはり、話をよく聞くことは医療の基本姿勢として軽んじるべきではないでしょう。「話を聞かない若い精神科医が増えた」という批判をたまに聞くこともあり、それは由々しき問題だと私も思っています。

医療の目的が「疾患の診断と治療」ではなく「健康に関わる問題の解決」だとするならば、人それぞれに異なる事情を明らかにするためにも、丁寧に相手の話を聞くことはどうしても必要です。また、人と人とのつながりが心の癒しをもたらすのであれば、心配や不安を抱いた人々と接することの多い職業としては、常にきちんと相手の気持ちを受けとめられる聞き手でありえるよう心掛けたいものです。

扱う疾患の特性上、精神科では他科に比べて、これらのことがごく当たり前のこととして理解されていたはずなのですが、どうも最近はそうでもないらしく、少し残念に思っています。

文章:精神科やすだ (2006年12月25日初公開)
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