共感と小説(20)
どうしたら相手の話をうまく共感的に聴くことができるか。小説を読んだりするときのことを考えると、ひとつのヒントになると思います。
小説では登場人物にどんな生い立ちがあり、ひとつひとつのエピソードの中でどのように考え、どのように行動したかが丁寧に書かれているため、劇的な展開の中でも「この人なら、当然そんなふうに行動するだろうな」と納得することができます。共感しながら話を聴くのもそれに似ていて、その人の生活史や家族構成、思考や行動にどんな傾向があるか、などといったことを把握しておくことで、相手の言動や感情を自然な流れとして理解しやすくなります。
人物描写が稚拙な小説では「この人物がここでこんな行動に出るのは不自然だ」と、しらけてしまうことでしょう。人の話を聴くときも、頭の中で相手の人物像をイメージしながら聴くのが理想だと思います。
文章:精神科やすだ (2006年8月16日初公開)
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