「枠」とは(47)
精神科の治療などで「枠を決める」ということを聞いたことがあると思います。これはいったいどういうことでしょう。
どんな人も「自由にしてください」と言われると、かえって何をしていいか分からなくなるものです。むしろ「午前中いっぱいは好きにしていいです」という制限付きの方が有意義に時間を過ごせたりします。
また「遅い時間の外出は困りますよ」と曖昧に言われると、自分に都合のいいように解釈することもできてしまいますが、「19時以降は外出禁止です」と具体的な縛りがあれば、甘い誘惑が入り込む余地は少なくなります。
つまり、自分で自分を律するというのは意外と難しいことなのです。だから自律する力が弱い人には、あえて制限を設定して、適応的な行動が取りやすいようにしてあげるのです。本来、枠を作るのはそのためであり、決して枠を守れないような人を罰して排除するためではないのです。
文章:精神科やすだ (2007年2月1日初公開)
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