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共感と子供(16)

共感とは何かと考えると難しくなりがちなので、こんなことを考えてみました。

子供は親に向かって「ねえねえ、こっち来てよ!」「これ見て!」と、さかんに言うものです。これは“親にも自分と同じような気持ちを感じてほしいから、同じ場所にきて、同じものを見てほしい”という、共感を求める要求なのだと理解できます。

子供の場合、あれこれ言う前に、とりあえずそばに行って同じものを見てやらないと納得してくれません。というか、それさえすれば満足してくれたりします。

と考えると、共感を求める人に対しては、同じ場所に立って同じものを見るということを第一に考えるべきだ、と言えそうな気がします。どんな言葉をかけるべきかとか、そういうことは二の次でいいわけです。

そもそも医療者と患者ははじめから立場も違うし、見えているものも異なっているので、それだけのことをするのでも、けっこうな労力になるはずだと思います。

文章:精神科やすだ (2006年7月17日初公開)
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