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少々鈍いくらいがいい(41)

悩みごとの話を聞くときなどでは、あまり相手の気持ちや考えを先取りして理解しすぎてしまうのも考えものです。頭の回転がはやい人は相手が何に困っているのかが見えすぎてしまうので、つい「○○すればいいのでは」といったアドバイスを言いたくなってしまいます。ですが「悩みの解決法を教えて欲しい」と「悩みについて相談したい」は、似ていますが違います。相手は必ずしも有効な答えを期待しているわけではなく、自分が迷って悩んでいるということを受けとめて欲しいだけかもしれません。

少し頭の回転の鈍い人だと、なかなか気の利いたことが言えないので自然と聞き手にまわりやすくなります。なんとかアドバイスをしてあげようと思ってあれこれ尋ねているうちに、相手はその質問に答えることで勝手に自分なりの結論にたどり着いてしまったりもします。

相談役は少々鈍いくらいでちょうどいい、と密かに思っています。

文章:精神科やすだ (2006年12月14日初公開)
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