感情を見守る(55)

会話の途中で相手が泣き出してしまったらどうするでしょうか。すかさず慰めたり、なだめたりするべきでしょうか。

このようなとき、まずは慌てず相手の感情の動きをじっと見守ることが大切だと思います。はやく何か言葉をかけてあげなければと思うかもしれませんが、これはたぶん相手の感情表出によって自分の感情が揺さぶられて、自分自身が不安な気持ちになっているからです。

泣くこともその人の個性を反映した行動の一部です。むやみにさえぎってしまうのではなく、ありのままの感情表出をそのまま受け入れてみてください。また時には感情を発散させることもストレスマネジメントには有意義です。遠慮なく感情を吐きだせるよう、内心は焦っていたとしても、どっしりと落ち着いたふりをしてみてください。そうこうしているうちに、こちらの気持ちの動揺も落ち着いてくるはずです。

文章：精神科やすだ　（２００７年４月４日初公開）
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